足元をビシッと決めれば、それだけでコーディネイトにもハクがつくというもの。一世を風靡し、今もなおその威厳を保ち続ける名作ならなおさらで、その堂々たる佇まいはきっと我々の強い味方になるだろう。ここでは、大人の男ならば持っておくべき名ブランドの“顔”たちを厳選。その魅力を余すことなくお伝えしよう。

 

〈クラークス オリジナルズ〉のワラビー

コンフォートな履き着心地と
可愛げのある風貌こそ真骨頂
袋縫いで仕上げられた独特な形状、そして特徴的な四角いつま先の木型により、足入れもスムーズでなじみやすさもひとしお。

 

快適性への追求が生んだカジュアルシューズの源泉

 イングランド南西部になる小さな町に居を構え、そこで190年も靴作りを行なうクラークスは、英国に現存する最古の靴ブランドとしても知られている。そのファーストアイテムは「ブラウンピーター」と呼ばれるフカフカのシープスキンスリッパだったとか。ただ、そこに端を発し、後のカジュアルシューズの製作へと繋がっていくのである。

 デザートブーツと並び、同ブランドの代名詞と言われるこのワラビーは、ノルウェーモカシンという軽登山用のアンクルブーツをソースにデザインされたもの。当初はその異形に賛否両論の声が上がったというが、今なおシーンで活躍し、世界中から寵愛を受けている事実からも、その後の顛末は容易に想像がつくだろう。その由来は、前から見た時にカンガルーの仲間でやや小型な“ワラビー”の前足に似ているからなど諸説あるものの、あえて芯を入れずにライニングも加えない柔らかなスウェードや、クレープソールが紡ぎだす絶対的な履き心地は今も変わらない。人間の足の形をかたどったオブリークトゥも特徴で、それも足へのフィット感を促す要因となっている。