「反骨心」「雑草魂」……ここまで語ってきてもらったように、「非エリート」意識は上原投手の原動力となっている。一方で、もうひとつ上原投手に欠かせないだろうモチベーションがある。それは「あの人のために」という思いだ。

「お前が必要だ」というメッセージが力になる


――ご著書で、なんどか「あの人のために頑張ろう」という言葉が出てきました。誰かのために頑張る、そのモチベーションとはどんなものでしょうか。

きっと多くの人も同じだと思うんですけど、「自分は必要とされている」と感じることってうれしくないですか? 

――そうですね。

それと同じですよ。必要とされていると実感できることはすごくモチベーションにつながる。前に、理想の上司について聞かれてお話ししましたけど、原(辰徳)さんの名前を挙げさせてもらったのは、そういう「必要としているぞ」というメッセージを感じたからです。

原さんがそれを意図してやっていらっしゃったのかどうかは分かりませんが、いいときもわるいときも声を掛けてくださった。それだけでじゅうぶん、原さんのために頑張ろう、というモチベーションになりましたよね。

――そういうことはアメリカでもあありましたか?

それこそ、ボストンはそうですよ。

テキサスからフリーエージェントで移籍したとき10球団くらいかな、オファーがあったんですけど、とにかくボストンは「来てほしい」という熱意を感じました。38歳になる年でしたから、年齢的には躊躇う球団だってあっておかしくない。なのに、ものすごく「獲得したいんだ」という気持ちが伝わってきた。
実際、提示していただいた契約内容も一番良かったですしね。