「政治・経済」から「憲法」「軍事」「マスコミ」まで、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)にすべて改悪されてしまいった……。しかし、日本人の“高潔さ”と“技術力の高さ”は70年間脈々と受け継がれている―。「GHQ型思考」脱却と「日本再生」へのヒントとなる、注目作がついに発売! 著者の山村明義先生に、「アメリカの占領政策」と「日本人の心」について語ってもらった―。

Q1 本書を執筆しようと思った動機をお聞かせください。

山村 2年前に、本書同様「GHQ」をテーマにした『GHQの日本洗脳』(光文社)という本を書きました。実は、そのときに載せられなかったことや、載せたいけどまだその時期でないので書かなかったことがたくさんあったのです。「米国国立公文書館」や「メリーランド州立大学の図書館」などに行って集めてき膨大な資料も活かせなかったという思いもありました。
そこで今回の本では、前著では活かせなかった部分をしっかり取り入れ、さらにグレードアップさせようと考えました。また、「日本とはどういう国なのか」あるいは「日本人とはどのような精神を持った人たちなのか」ということがわかりやすく伝わるよう表現したつもりです。
ですから、本書は「GHQが行った日本洗脳」に関する国内外の資料を総結集させた本と言えます。言い換えれば、GHQをずっと研究してきた私の総決算でもありますね。

 


Q2 日本人の「意識(心)」は、戦前、戦中、戦争終結直後、戦後で、どのように変容していった(あるいは、変わらなかったのか)とお考えですか?

山村 日本の神社には、八百万の神々が祀られています。その神々が祀られている神社は占領期も戦後も消えることなく残っています。このことに象徴されるように、「神道」という視点から見てみると「日本人の意識(心)」の問題はよくわかると思います。
日本人は寛容性というか、物事を幅広くとらえる資質を持っています。仮に、外国からいろいろな価値や思想、モノが入って来ても、日本人はそれを上手く受け入れて、なおかつそれを換骨奪胎(かんこつだったい)し、磨いて、より良いものに、さらには、オリジナリティの高いものにしていく精神があります。
あるいは、アイデンティティとなり得る「日本の文化に作り直す」という精神が神道のなかにはある。

そういう精神はGHQによる6年8ヵ月に及ぶ占領期を経ても消えずに、日本人のなかに残ったのです。

 

Q3 でも、やはりGHQが入って来たことによって、「欧米のシステム」がそのまま導入されたような感じになっているように見えます。何でもオリジナリティに変えていくという日本人の良さが、この占領期にはなぜ活かされなかったのでしょう?

山村 GHQの思想的な基本にあるのは、欧米人が考える「個人主義」、あるいは「民主主義」「自由主義」「平等主義」です。占領期には、日本人はそういった「欧米型のシステム」を取り入れたわけですが、時間が経つにつれ、日本人には合わない部分がどうしても出てきました。
例えば、欧米個人主義の「利己的なシステム」や「個人だけが幸せになればいい」という考え方などは、どう考えても日本人には合わないんですね。

つまり、GHQの残したシステムは長い年月を経て、いまようやく変わりつつあるのではないかと私は思っています。

例えば、昨今話題になっている三菱航空機という会社のMRJという飛行機は、国産飛行機では戦後70年のなかで2機目と言われていますが、これは日本の良さ、日本の優れた技術を航空機に活かして作りあげたものです。

また、リージョナルジェットというホンダの飛行機のように、エンジンも日本製にしてなんとか完全に日本オリジナルな航空機を作ろうという動きも出て来ています。
日本人はこれまで技術、文化、その他いろいろなものを多く集めて来ています。今は、まさにこれまで集めてきたものを日本オリジナルなものにしていく過渡期にあるのではないかと思います。

システムについても同様で、これからは「日本流」「日本風」「日本らしさ」を大事にしていかなければならない時期にさしかかっているのではないでしょうか。