宗教の教えと救いは、世界三大宗教とされる仏教・キリスト教・イスラム教ではどう違うのか? それぞれの開祖や教典、教えなど異なっている点を一覧表で徹底比較してみた。

根底にある思いは共通

 人は「救われたい」という思いから宗教を求める。追い求める原点は同じなのに、その教えや救いは宗教や宗派ごとに大きく異なる。それはなぜか。基本に立ち返り、考えてみたい。

 仏教(推定信者数約3億3000万人)、キリスト教(同14億6000万人)、イスラム教(同9億人)を、「世界(三大)宗教」と呼ぶ。民族や人種の壁を越え、世界中に広まった宗教だからだ。 「世界宗教」の反対となる概念は、一定の民族や人種の間で信仰される「民族宗教」である。わが国の神道や、インドのヒンドゥー教などがその代表的な例といえる。世界宗教には、しばしば次のような定義がなされる。 一、教祖(開祖)がいること。 二、教理と聖典があること。 三、教団があること。

 この共通項に加えて、現世を苦界ととらえ、そこから人々を救済する使命を背負うことでも三大宗教は通底する。「救済宗教」とも呼ばれるゆえんであり、教えが人種や民族を超えて広がる原動力もそこに見いだされる。

 では、三大宗教の違いとは何か。キリスト教とイスラム教は、神の守護を求めて人間に唯一絶対神への帰依を勧めるのに対し、仏教は人が悟りを開き(解脱)、仏になること(成仏)をすすめる。つまり、キリスト教とイスラム教は一神教で仏教は多神教となる。

 また、戒律主義のイスラム教に対して、キリスト教と仏教(大乗)は戒律に柔軟だ。後二者がそれぞれユダヤ教と部派仏教(小乗仏教)の形骸戒律主義を批判して生まれたからである。  さらに、地獄や天国に転生するという他界観は共通するが、それぞれの他界は大きく異なるなどの違いもある。 

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