アイドル顔負けのルックスのAV女優がテレビに出演したり、本を出版したりなど、以前に比べれば随分と市民権をえてきたかのように思われる今日この頃。
そういった状況の変化に対して、そこで働く彼女たちに何か変化はあったのか。
AVライターとして事情に詳しいアケミンさんに話を伺った。

 「なんでこんな子がAV女優に?」

そんなセリフをたまに、いや結構な頻度で耳にする。「まあねえ」なんて適当に濁してしまうことが多いのだけれど、よくよく考えるとおかしな言葉だ。
「なんでAV女優に?」というだけならば、その子がAV界に足を踏み入れた動機やキッカケを問うものである。しかしそこに「こんな子が」という5文字が入るだけで発言主の潜在意識があぶり出される。

一つは「こんな普通に見える子がどうしてAV女優に?」という意識。その言葉の裏には「AVや風俗など自らの性を商売にする仕事は、百戦錬磨の玄人女がやるもの」という前提にある。その手の人の脳内では、整形バリバリで化粧が厚く、声は酒焼け、まるで場末のスナックのママか手入れし過ぎたグラドルのようなビジュアルイメージがもっともAV女優に近いものだろう。しかし現実にはこの手のタイプのほうがレアな存在だ。

もう一つは「こんなにカワイイ子がどうして裸に?」というもの。「外見に恵まれていたら裸になんてならずとも世の中を渡っていけたんじゃないか」という考えに基づいている。当然ながら美人が全員、自分の希望を簡単に叶えられるわけではない。そもそも「美人は人生、ラクできる」という発想そのものが横暴で、かえってその手の向きは就活における見た目の重要性という話題になると強い拒否反応を示しがちだ。

 

 

 とはいえ、やはり我々はつい言ってしまう。
「なんでこんな子がAV女優に?」

 

ここ10年ぐらいの間にAV女優のスペックは格段に上がっていると言われている。そのルックスはアイドルを凌駕する勢いだし、社会人としてのマナーもきちんと身につけている。挨拶や敬語はもちろん、自分の親と同年代のスタッフとも気軽に世間話もこなし、SNSではファンサービスも怠らず適度な距離感を身につけている。もちろん遅刻もしないし、OLの数ヶ月分の給料と同じくらいの額を10日で稼いでも無駄遣いしない。

しかも、いや、当然というかセックスもうまい。歌やダンスだって踊れてCDデビューをしてしまう子だっている。

外見、コミュ力、性技、やる気、モチベーション…彼女たちは「芸達者」を超えて何拍子も揃った「デキる女」である。90年代、00年代では考えられなかったことだ、女の子が無事に現場に来てくれるだけでありがたかった、なんてビニ本を担当していた先輩編集者は言う。

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