「わ、ウソでしょ・・・・白蛇さまって、大蛇なの!」

「この脱皮した皮を、お財布に入れておけば苦労なしですよ! さ、お分けしますので前に来てください!」

「わー! ギャー!」っと、金運争奪戦が始まった。

気がついたら、しっかり白蛇さまの抜け殻の断片をゲット! 白蛇さまの頭部は袋に入れられて、大蛇にみえる胴体は小屋の男性二人が押さえ込んでいた。

本物なのかなどと、野暮を言っちゃいけないな。ここは、お客も出し物との共犯幻想を楽しむ見世物小屋なのだ。

新宿は花園神社のお酉さま。世界遺産どころじゃない、絶滅危惧種の見世物小屋がかかるというので「ゲゲゲの見世物小屋ツアー」として、ゲゲゲの飲み会仲間と行くことにした。

こういう趣味って、圧倒的に女子が来る! まずは飲み会の場所『どん底』に集まったら、圧倒的な女子率! どんだけ、摩訶不思議的見世物小屋世界が好きなんだ。

著者のカルロス山崎さんは、2015年7月現在病気療養中です。ご購入のご希望があれば、仲介いたします

事の発端は、自費出版の『オール見世物』という写真集。著者のカルロス山崎さんが、飛び込みで販売依頼に来たのがご縁になった。

滅びゆく見世物小屋に魅せられた彼は、記録に残さなくてはと全国の小屋を取材してまとめ上げたのが本書。これほどの類書を見たことがない!

『オール見世物』付録のポストカードです。見世物小屋の看板絵からですが、雰囲気が見て取れます

見世物小屋の歴史を詳述し、紙で作る見世物小屋と看板絵の絵葉書も付いて1万円。若き頃の散歩中に、夜公演を控えて静止画のような見世物小屋を通り過ぎてしまった後悔を思い出していた。

またとない珍書・寄書。これを販売できることこそ本屋冥利と、レジ脇の壁掛展示でサンプルを置いて1冊2冊と売っていくことにしたものだった。

「えぇ、なにか飲んで火を噴くって・・・・ボッ! って、いってるじゃん・・・・

白塗りでわからないけど、火吹き女ってお婆さんよね」

「やだやだ、あの人は舌に鉄棒を差し込んじゃった! トリックに、見えない・・・・」

「これで木戸錢800円って、大満足!」

興味本位の参加でも、若き編集者たちの糧になったようで嬉しいツアーになった。見世物小屋こそ、永遠に。

 

アタマの中には、Pink Floydの「Shine on You Crazy Diamond」が流れる。

Scene.19 本屋は奇々怪々の魑魅魍魎!

 

「イェイ♪ 石川ちゃん、どもっす!

先日は、ご自宅でのゲゲゲの七輪パーティーをありがとうございました。つうか、ご一緒の方はどなた?」

「トーハンさんの、中央線担当の方なんすよ。

吉祥寺のブックス・ルーエさんで遭遇したら、ルーエの店長に文庫センターを見て来いって言われてたそうなんで連れて来ちゃいました」

「ども、すいません。

中央線一の面白い本屋があるって聞いていたんです。お取引は日販さんと言うことで、うちが行っちゃマズいかなぁ~っと、思いつつ来ちゃいました。後藤です」

「トーハンさん、全然OKっすよ! ガキの頃、大曲の返品セクションでバイトしていましたけどねって。関係ないか」

「店長。文庫センターさんも、パソコン導入したの?!」