いざというときの「給料の非常時払い」

 

 熊本県を中心に起きた地震によって、現在多くの人が避難生活を余儀なくされている。なかには、着の身着のままで家を出て、お金の持ちあわせもない、貯蓄もないという人もいるだろう。
 しかも、まだ余震も続いているうえに、配給物資も充分に行き届いてない状態だ。これからの生活に大きな不安を抱いている方は大多数に昇るだろう。
こんな状況に直面したときに、ぜひ知っておいていただきたいことがある。それが給料の非常時払いについてだ。
 アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士(東京弁護士会所属)は次のように語る。

「労働基準法25条(非常時払)では、『使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない』としています。
 通常、使用者は定められた支払期日までに給料を支払えばいいのですが、労働者が災害、疾病、出産などの非常時に直面した場合は、期日前でも支払わなければならないのです」

 つまり、当面の生活資金を手に入れたい、あるいは親戚のところへ避難したいが交通費が出せない、などのときには、この制度を使えばある程度のお金を手にすることができる。
 ただし注意も必要だ。

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