AIIB(アジアインフラ投資銀行)に不参加を決めた日本政府の決定は果たして正解だったのか?

 

アジアのインフラ整備を促進するための国際機関として中国主導で新たに設立されたAIIB(アジアインフラ投資銀行)の開業式典が2016年 1月16日、北京で開かれた。

 

2015年3月31日に締め切られ、4月15日に発表された参加国は57カ国。このうち、6月29日の設立協定の調印式には7カ国(フィリピン、デンマーク、クウェート、マレーシア、ポーランド、南アフリカ、タイ)が調印を見合わせた。しかし、この7か国も2015年末までに調印した。このため、当初の予定通り57カ国の参加国による業務開始となった。

 

現時点でアジア・太平洋地域の先進国で不参加なのはアメリカ合衆国、日本、カナダ、メキシコなどごくわずか。

 

「ガバナンスに透明性がない」などの理由で参加を見送った日本は、実質的には米国の決定に追随した形だ。

 

しかし、『AIIB不参加の代償』(KKベストセラーズ)の著者・右田早希氏は「日本はAIIBに参加すべきである。年末にAIIBが正式に発足するまでに手を挙げて、アジア第一の先進国として、ADB(アジア開発銀行)で積み上げた『50年の経験』を活かすのが、21世紀に日本が生き残る道だ」と述べる。

 

右田氏によると、日本が不参加を決定した背景には、根深い対米従属の他に、日本国自身が、ずっぽりとはまって抜け出せない、アナクロニズムがあるという。

 

右田氏によると、それこそ、日本がいまだに抜け出せないでいる、20世紀的な「アジア発展の雁行モデル」だという。このモデルとは、アジアという「雁の群れ」の先頭を日本が牽引し、2番手にアジアの四昇竜と言われた韓国・台湾・香港・シンガポール、3番手にASEAN諸国、そして4番手に中国がついて来るという時代遅れの構図だ。右田氏は、日本はアジアでの「過去の栄光」にあまりにもしがみつきすぎて、日進月歩で変わりゆくアジアの「実像」が見えていないと批判する。

 

2015年3月12日、イギリスがAIIBへの参加を表明して以降、次々と先進国からの参加表明が続き、それまで「参加見送り」で安定していたかに見えた、国内メディアの報道姿勢に亀裂が走った。

 

右田氏によると、日本のAIIB不参加に関して外務省の関係者は「アメリカが望まないこと(=AIIB参加)は端から視野に入っていなかった」という。

 

そして、日本は結局参加しなかった。経済界から聞こえていた「不参加では日本のビジネスチャンスが潰える」の声はかき消された。

 

日本は、このまま不参加の決定を護持したまま行くのだろうか。しかし、いま最も怖いのは、アメリカが日本より先にAIIBに参加する可能性だと右田氏は指摘する。右田氏の予測が実現すれば、対米従属だけが日本の生きる道と突き進んできた日本にとって、これほど恐ろしい話はないと言わざるを得ない。 (終)