「西の富士、東の筑波」と並び称される筑波山(茨城県)

 
 
昔から人の生活圏にあった低山は特別な技術は必要なく誰にでも登ることができる。古くから人と関わってきた歴史ある山だから誌歌に歌われたり、小説の舞台になったりしてきた。そんな歴史の面影を愉しめるコースと展望と自然美に感動間違いなしのコースを低山歩きの達人、小林泰彦さんに教えてもらった。
 
 

 登山口となる筑波山神社は荘厳さを湛え、いにしえからの山岳信仰を感じさせてくれる。ここからはケーブルカーも運行されているが、宮脇駅右側から登山道に入ろう。神域として自然が守られてきた筑波山には豊かな自然が残されており、登るにつれて高度による植物の変化を見ることができる。

 

 四合目には中ノ茶屋があり、その先でケーブルカーの軌道の左側に出る。小倉百人一首にも詠まれている男女川の源流地にはベンチがあって休憩ポイントになっている。

 

 つづら折りの急坂を登りきると、ケーブルカーの山頂駅やレストラン、茶店のある御幸ヶ原(みゆきがはら)だ。ここは男体山(なんたいさん)、女体山(にょたいさん)の鞍部になる。左手に登ると測候所のある男体山の頂上だ。関東平野を見渡す眺望が疲れを忘れさせてくれるはず。男体山山頂にある測候所は明治34年に設置されたという歴史あるものだ。

 

 女体山へは一度、御幸ヶ原に戻り、電波塔や奇岩を眺めながら尾根道を辿る。ロープウェイ女体山駅のすぐ上が女体山の頂上だ。標高877メートルの山頂には一等三角点があり、360度ぐるりの展望が素晴らしい。

 

 帰りは女体祠(ほこら)裏から奇岩が次々に現れる道を下る。大仏石、北斗石、胎内潜り、弁慶七戻石など、自然の造形に楽しませてもらいながらゆっくりと下ろう。岩は濡れていると滑りやすいので慎重に。 帰りの車窓から振り返り見る筑波山は、標高877メートルとは思えないほど立派に立ち上がり、日本一の富士山と並び称されるのも不思議ではないと納得させてくれる。

 

●参考コースタイム

筑波神社前バス停・筑波山神社(10分)宮脇駅・登山口(1時間20分)御幸ヶ原(15分)男体山(25分)女体山(1時間20分)筑波山神社