芸人、俳優、彫刻家として幅広い活動をしている片桐仁さん。今までで一番苦労した仕事は、“あの”人気作品に出演したときだったそうです。

 

『TIGER&BUNNY』のアフレコは、その年一番緊張した仕事

写真/花井智子

 どんな仕事でもそれなりに苦労はするもんじゃないですか? 産みの苦しみというか、そういうのって誰でもあると思うんですよね。

 いろんなお仕事をさせてもらっていますけど、声優は大変だったなぁ。2008年にOVAで発売された『ルパン三世 GREENvsRED』は、大変だったなぁ〜。
 「ヤスオ」っていうルパン三世の敵役を担当させてもらったんですけど、ゲスト主役だからセリフ量が一番多かったんですよ。僕も声優のお仕事やったことがなかったから、他のキャストのみなさんとのアフレコじゃなくてひとりで収録させてもらったんです。1時間半の作品を5時間くらいかけて取ったんですけど、あの時は「二度とやらない!」って思いましたね。あまりの出来の悪さに、今でも開始から10分以上は見られないですもん(苦笑)。僕の知り合いがひとりだけ褒めてくれたから救われたんですけど。

 でも、また声優の仕事をやっちゃうんですよねぇ。2011年の『TIGER&BUNNY』で。この時は、今NHKの『とと姉ちゃん』の脚本を書いている、知り合いの西田征史君がシリーズの構成をするっていうんで出させてもらったんですけど、ルパンのトラウマがあるからすごくまー自信がなかったんですよ。透明人間になれるNEXT(特殊能力者)のライオネル・ホークっていう、1話だけ登場する役だったんですけど、出来栄えはどうなんでしょうね? 声優ファンの人たちからすれば違和感があったのかもしれませんけど、そこに関してはもう、自分では何も言いません!

 声優って本当にすごい職業だと思いますよ。だって、声だけで動きとか顔の表情を表現できるんですもん! 例えば、「顔がゆがんだ時の声」って実際に顔を歪ませてもできないもんなんですけど、あの人たちはできちゃうんですよねぇ。泣き声とかも本当に泣いている時よりもリアルだし。あれは芸ですね!『TIGER&BUNNY』では共演者たちとアフレコに参加したんですけど、あの年で一番緊張した現場でしたよ。でも、一緒にやる方が断然楽しかったです!

 

明日の第九回の質問は「Q9.『コント』と『演劇』の境界線を教えてください」です。