巷で話題の「糖質制限」。わかっているようで、実は勘違いがものすごく多い、と指摘するのは『日本人の9割が誤解している糖質制限』の著者で糖尿病専門医である牧田善二先生。今回は、「糖質制限」にまつわる、間違った思い込みについて徹底解説!
誰でも気軽に取り組みやすい糖質制限。意外な落とし穴とは…?

 「ダイエットで重要なのはカロリー制限ではなく、糖質制限である」。そんな考え方が一般的になりつつある。
「糖質制限」とは、砂糖をはじめ、ごはんやパン、麺類などの主食を控えることで「糖質量」を制限し、体重や血糖値をコントロールする食事療法だ。

 控えるものがわかりやすく、毎日の生活ですぐに実践できる手軽さから、日常生活に取り入れている人も多いのではないだろうか。そんな糖質制限だが、正しく知らないとかえって健康を損ねてしまう危険性がある。

こんな「糖質制限」は間違い!
1.すればするほど健康になる
 糖質制限をすると、確かにみるみるうちにやせていく。とくに厳しく制限すればするほど、どんどんやせていくのであまりの効果から、「糖質制限」にハマってしまう人も多いのではないだろうか。
 だが、ここに落とし穴がある。糖質制限を行えば行うほど、際限なくやせていってしまう恐れがある。やせすぎると、甲状腺機能が低下し疲れやすくなる。さらに、免疫力が低下し、あらゆる病気にかかりやすくなる、というリスクもあるのだ。あまりにひどい場合、エネルギーを生み出すために筋肉までもが使われ、階段が上れなくなってしまったケースさえあるほどだ。
 元々太りすぎの人が「糖質制限」を利用してやせることは、健康的なメリットがある。しかし、そうでない場合、やせすぎは逆に健康を損ねるリスクを高めてしまうのだ。

こんな「糖質制限」は間違い!
2.糖尿病が治る
 「糖質制限」を行うと、体重や血糖値のコントロールができるようになる。これは間違いのないことだ。血糖値が安定するので、「糖尿病が治った」と思い込んでしまう糖尿病患者さんが存在するが、これは残念ながら、大きな勘違いである。糖質制限をしている間は確かに、血糖値が安定する。だが、糖質を摂った瞬間、血糖値はたちまち急上昇してしまうのだ。

こんな「糖質制限」は間違い!
3.あらゆる生活習慣病予防に効果がある
 最近、「糖質制限を行い普段から体重や血糖値のコントロールをしていれば、がんや心臓病などの生活習慣病を予防できる」という説が一部で主張されている。
 確かに、糖尿病にかかってしまうと怖い病気にかかるリスクが高まるため、その糖尿病になることを防げば、生活習慣病予防にかかる確率が少しは低くなるかもしれない。しかし、糖尿病を患っていない人でも、がんや心臓病などの生活習慣病やアルツハイマー病にかかることはある。
 だからこそ、「糖質制限さえしていれば大丈夫」などという油断が危険なのだ。確実に、早期発見できる検査を行うことこそが、命に関わる病気から身を守り長生きをするために重要なことなのだ。

 いかがだっただろうか。あらゆることに効果が高いと思われている「糖質制限」だが、過信するのは危険なのだ。正しい知識を身につけて健康的に取り組みたい。

 
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