高視聴率をキープする「真田丸」。第14回からは真田信繁(堺雅人)が一族と離れ、豊臣秀吉(小日向文世)のいる大坂城に出向している。

以前、堺さんは序盤の物語をホームドラマと評しました。大坂編はどのような印象ですか。

「脚本の三谷(幸喜)さんが説明してくれたのは、人間関係は森繁久弥の社長シリーズ('56年~'70年製作の喜劇映画)ですと。秀吉が社長で、たぶん僕は小林桂樹さんの役(社長を支える秘書)かなと思っています」

信濃から大坂へ。信繁に変化は?

「ひとつは妻(梅・黒木華)の死を受けて、大人っぽくなりますね。それと(大坂の信繁は)田舎で青春を過ごしていた人が都会で就職するような感じと考えます。当時の豊臣政権という大企業に勤めるわけですから。仕事の表向きは秀吉の警護なんですが、政策立案の会議とかにも参加させてもらっているので、充実した毎日を送っております。それでいて、自分の会社(真田家)の方にも利益誘導したいって下心もある。ちょっとやっかいな新入社員ですね」 

“社長”と接して信繁の眼には天下人がどう映ったのか。今作は信繁目線の秀吉像を描いている。

今作の秀吉像の印象は?

「今までの秀吉って、わりと立身出世の人として、生き生きと描かれていることが多いと思います。でも、信繁が出会った頃の秀吉というのは、ちょっとおかしくなっていく時期なんです。周囲を振り回し、全体の歯車が狂っていく。そのあたりの秀吉から描いているのが、実に絶妙ですね。(役者としては)巻き込まれ甲斐があるし、秀吉の死後は、どっと疲れると思う。大変な人が亡くなった、と」

堺曰く「まるで別ドラマ」というほど、大坂編はキャストが変わる。

大坂編のキーパーソンは?

「小日向文世、山本耕史(石田三成)、竹内結子(茶々・淀)の3人ですね。小日向さんの秀吉はシェイクスピアの道化師のよう。それが権力を持ってしまうという恐ろしさを感じさせる。三成は器用そうに見えて不器用というのが今作の面白いところ。耕史君のポーカーフェイスと超人的な器用さ。そして心のどこかに熱いものを持っている。そんな演技は三成にぴったりと感じています。会ったことないけど、三成に(笑) 竹内さんは、ラブシーンっぽいものを先日撮ったんですが、カットごとに少女のような目と大人の色気の目がクルクルと変わる。ちょっと毒があるんですよね。危険な甘い毒が。そこがすごくいいんです」