「これまでにもいろいろな健康食のブームがありました。30年ほど前に薬膳料理が流行したときは『五味五色』をとり入れて、体調に合せた食事を摂るという健康法を多く作りました。これは、「食は健康を保つ」という東洋医学の考え方にもとづいています」

健康食に定評のある料理研究家の上村先生は、「食と健康」についての心得を語ってくれた。

「東洋医学というと、何だか難しそうでしょう?でも、「甘・酸・辛・苦・鹹(塩辛い)」の五つの味、青・赤・黄・白・黒の五色の食材…と覚えるだけ。バランスよくいろいろなものを食べることが健康を保つ方法だということなのです」

長年、「食」による健康法を研究している先生だけに、考案されるレシピも栄養面を重視している。そのポイントとなるのが、「旬の食材」である。

 

【季節の食材】

4~5月/タケノコ、ノビル、アスパラガス、新タマネギ、イチゴ、甘なつ

6月/梅、らっきょ、ショウガ、ミョウガ

7月/ピーマン、ナス、キュウリ、トマト

 

「昔の人は、その季節に採れる旬の食材を使って、その時季に合った方法で調理していました。今は食に季節感がなくなっていますが、旬の食べ物を摂ることは、健康のためにも、理にかなったことなのです」

たとえば暑い季節なら、弱りがちな腎機能を調整する食材、食欲を増進する調理法で、夏バテを防ぐ…など。四季のある日本では、その土地土地に根ざしたご当地料理こそが、そこで育った人々の体質に適したものなのは当然である。

「今の季節は山菜や、初夏の野菜が豊富に収穫されます。さっぱりした酢味噌をつけて食べれば、暑いときでもむし野菜や生野菜をおいしくいただけて良いでしょう。それに今は梅の収穫時期なので、梅味噌にするのも良いでしょう。マグロとネギ、らっきょうなどの和えものは、夏にぴったりの副菜です」

発酵食品である味噌と酢の効能はもちろん、梅のクエン酸は疲労回復にも効果がある梅味噌。まさに“万能酢味噌”と呼べる健康食品である。