片桐仁さんの30日毎日連載も、今日が最終回。最後に、ラーメンズの相方・小林賢太郎さんは片桐さんにとってどのような存在なのか、お聞きしました。

 

大学の同じクラスに相方がいたことが、一番の幸運

 今の自分があるのは小林賢太郎のおかげですよ。それに尽きますね。

写真/花井智子

 僕がここまでやってこられているのは「運が良かったから」と思っているんですけど、最強の幸運は多摩美(多摩美術大学)の同じクラスに賢太郎がいたことですよ! そこからたくさん話すようになって、賢太郎がもともとお笑い好きだったこともあってコンビを組んでラーメンズになって、今に至るわけですからね。
 ラーメンズでは賢太郎が脚本と演出をやるので、僕は彼の言うとおりに演じているだけだったんです。賢太郎は独特の世界観を持っているので、100%彼の想いをくんで演技できていたわけではないですけど、やっぱりラーメンズの舞台でいろんなコントをやってきたことはものすごく生かされましたよね。

 ただ、2004年に役者として初めて呼んでいただいた『ガマ王子vsザリガニ魔人』という舞台があって、そこで初めて「お笑いとは違うんだ」と思い知らされました。
 コントはお客さんにウケることを前提にやるんです。みなさんに笑ってもらわないとダメだから、演出でも「この演技はこういう意味があるから面白いんですよ」ということをちゃんと伝えなければならないんですけど、正直、賢太郎に任せっきりで何も考えないで演技をしていた部分があったんです。
 でも、最初にやらせてもらったお芝居ではそれじゃダメだった。基本的に演出家が演技のほとんどを決めるので、自分がアドリブをきかせて笑わせようと演技してもダメなんです。「そこは笑いを取らなくてもいいから」と言われたり……あれはちょっとショックだったなぁ(苦笑)。面白いシーンだったんですけど、「役からはみ出て片桐仁にならないでくれ」って言われちゃったんです。コントの場合は役があって、そこから片桐仁という人格も表していくものなんですけど、それが舞台だと通用しなかったんですよねぇ。

 ここ数年は、たくさんの舞台に出演してきましたけど、そのなかでもやっぱり賢太郎と一緒にやってきた期間というのはすごく生きてきているんだなって感じています。客演することで、演出家さんとの距離感の取りかたとか、学ぶこともたくさんありました。ラーメンズの公演のなかった7年のあいだに、成長できたとは感じていますね。

 


5月の毎日連載「30問30答。〜あの人の秘密〜 片桐仁編」は、本日で終了です。片桐仁さん、本当にありがとうございました!

そして6月の毎日連載「30問30答。〜あの人の秘密〜」は、漫画家の蛭子能収さんにご登場いただきます! 明日もお楽しみに!