小心者で慎重な徳川家康(内野聖陽)、勇猛だが愚直すぎる武将、本多忠勝(藤岡弘、)。彼ら徳川勢の参謀役を務めるのが、のらりくらりと掴みどころのない本多正信(近藤正臣)。家康を中心に家臣とのやりとりは、どこかコントのようにユーモラスで、戦国の血生臭さを感じさせない。

正信は家康を天下取りに導いた名参謀。ドラマでの本多正信とは、どんな人物でしょうか。

「台本を読んで感じたのは、“あぁ、こいつは時々昼寝をするな”と。そんなイメージですね。それと戦国時代って、後ろから刺されるって怖さがあったと思うんです。裏切りや調略、切腹も含めていつ死ぬかわからない。そんな時代にこそこそ生きていてもしゃーない。どうせなら(天下取り)ゲームを楽しんでやろう。そんな感覚を持った人物。そのなかで私が選んだ駒(家康)は“成角”(将棋の竜馬)。大駒を持ってプレーしているのだからそりゃあ良い気分ですよ」

家康の人物像や家臣との関係性は、これまでの歴史ドラマにはない描かれ方をしています。

「家康が高血圧ですねぇ(笑)。異色の家康。内野君、すごいパワーあるんですよ。俺は昼寝したいと思っているのにエネルギー溢れる芝居をぶつけてくるんですから。でも、そんな家康に対して “なにを馬鹿なこと言っているの”と、まるで弟のように見守っているのが正信。殿というより友という関係ですね。そういう目線はお互いに残していきたいです」

 そんな正信の人柄がにじみ出ているのが第21話(5月29日放送)、第22話(6月5日放送)。沼田の領土問題を巡って、各武将の参謀らが集まり、話し合いをする。切れ者に混ざって、飄々とした正信の言動に注目が集まる。

正信の見せ場の回ですね。

「長いシーンです。途中でどうやら私は居眠り(の芝居)をしていたようです(笑)。“それはそれで…はて、なんでございましたかな”みたいなね」

正信は、今後どのように家康を天下取りへと導くのでしょう。

「天下取りゲームでの家康は大駒。その大きな駒をどう動かすか。まずは家康の評判を傷つけないことが私の役目の一つでしょう。悪い評判が立ったら、“それは私がやったことでございます故、ひらにご容赦を”と、こういう立場でやっていきたいですね。いつかね、釣鐘に名前がどうしたって言い始めるんですよ(笑)。“それは俺がやるから、あなたは黙っていてくださいな”と、そんな展開になったらいいなと思っています」