世界の見え方がガラリと変わる。そうした体験をしたことがあるでしょうか。

 今まで見てきた朝の食卓の光景、通学や通勤の風景、旅行先での景色、政治や経済のニュース、絵画、音楽、演劇、スポーツ……。同じものを見ているのに、何かがこれまでとは違って見える。同じことをしているのに、感じ方がどこか違う。ふとした瞬間にそうした発見をすることがあると思います。これは、いわば「世界観が変わる」体験です。

 実は哲学には、私たちの世界観を変えるほどの大きな力があります。

 高校時代に「倫理・社会」、あるいは「倫理」の科目を勉強した人もいるでしょう。そうした倫理学では、哲学についても学びます。私も高校時代、倫理・社会の勉強をしましたが、この科目はほかのそれとは違うなと思いました。ほかの、たとえば日本史や化学、数学、英語などは知的な欲求を満たしてくれますが、倫理学を学ぶと、それに加えて、人としての生き方を考えさせられます。つまり、倫理学は私たちの生き方に直結し、私たちに生き方を問う学問でもあるのです。

 倫理学の大きな柱である哲学は、まさに私たちに生き方を問います。その哲学は、古今の哲学者たちが自己や社会、自然、宗教などと格闘して生み出した知の結晶です。プラトンもデカルトもヘーゲルも、キルケゴールもニーチェもフロイトも、ソシュールもメルロ=ポンティもフーコーも、私たちに新たな世界観を提示してくれました。そうした斬新な世界観を含んだ哲学を学ぶことで、私たち自身も新たな地平に立つことができます。

 こう考えることもできるんだ、こうして生きていくこともできるんだ。……哲学を机上の学問に終わらせず、哲学の力を活用することで、私たちの人生はよりいっそう豊かになります。

『使う哲学』では、名前だけは知っている哲学の思考法をわかりやすく解説、日常での賢い使い方を伝授します。思考法を「技」として身につければ、仕事や結婚など、人生の重大な決断時にも「使う」ことができるのです。

 日本語のスペシャリストである齋藤孝先生の専門である、メルロ=ポンティの「身体性」や、ソシュールの言語体系など、哲学入門書ではあまり見られない、著者ならではの解説があるのも特徴です。

 知っているだけでは意味がない、哲学の思考法の世界を学んでみませんか。