いまでもジューンブライドにこだわりを持つカップルはいるだろう。そんな結婚の季節にちなんで、今回は結婚する前に知っておきたい法律について、アディーレ法律事務所に聞きました。
 

Q1

既に寛解していますが、以前うつ病を患っていたことがありました。婚約者である彼女に、このことを伝えるべきかどうか悩んでいます。治ったのですから、それを理由に婚約破棄、なんてことにはなりませんよね?(30代男性)

「法律上婚約に関する規定はないのですが、婚約は将来婚姻をなすべきことを目的とする契約であり、正当な理由なく破棄することはできないとされています。婚約を不当に破棄すると、慰謝料等の損害賠償の支払義務を負うことになります。
 今回は既に完治しているのかはわかりませんが、精神病は婚約破棄の正当理由になることもあります。しかし、少なくとも円満な夫婦生活が困難となるような重度のものであることが必要と考えられていますから、単にうつ病にかかっている、過去にうつ病の病歴があるといっても、婚約破棄の正当理由とはならないのが通常でしょう。
 ただ、うつ病は決して珍しいものではなく、寛解状態でも無理は禁物なようです。婚約破棄の正当理由とはならないとしても、相手の価値観や考え方によっては気持ちにズレが生じることがないとはいえません。婚約破棄が怖い気持ちもわかりますが、結婚前に色々なことを話し、将来何か問題が起きても一緒に乗り越えられる相手なのか見極めることが大切かもしれませんね。」(アディーレ法律事務所・正木裕美弁護士)

Q2
同棲5年になる彼女と、入籍目前です。しかし、ふとしたことで、彼女の過去の奔放な恋愛遍歴を知ってしまいました。清楚な子だと思っていたのでどうしても我慢できず、結婚どころか同棲もやめて別れたいです。騙されていたようなものだし、慰謝料を請求したいのですが…(30代男性)

「今回は難しいと思われます。
 仮に彼女に過去の奔放な恋愛経歴があったのが事実だったとしても、異常性癖や現在も他の異性との関係が続いているならまだしも、過去の方たちとは関係をしっかり清算しているのであれば、そもそも彼女の過去の恋愛遍歴は婚約破棄の正当な理由とは認められず、婚約破棄や慰謝料請求は難しいと思われます。判例でも、過去の素行不良を理由とした婚約破棄は認めないのが一般的です。
 誰しも、長い人生の中では恥ずかしい過去や失敗を経験しますよね。でも、変われるのもまた人間です。彼女はあなたと出会って本当の愛を知り清楚な女性へと成長したのかもしれせん。過去にとらわれ過ぎず、将来彼女と一緒にやっていくことが本当に無理なのか、よく考えてみてはいかがでしょうか。」(前出・正木裕美弁護士)

Q3
結婚の条件として、お互いにオープンマリッジにしたいと思っています。日本の法律では、オープンマリッジは認められないのでしょうか?(20代女性)

「オープンマリッジとは、一般的に『夫婦間以外の性的な関係に対して、相互の合意の下に開かれている結婚の形』、つまり不倫・浮気が夫婦公認という関係だそうですが、日本の法律とはなじまない考え方といえそうです。
 夫婦間で個人的にオープンマリッジの合意をして結婚をし、お互いに不倫・浮気をしても問題がないという関係を続けることは事実上は可能でしょう。
 しかし、日本では、一夫一婦制が採用され、配偶者以外の異性と自由意思で性的関係を持つことを不貞行為といい、離婚原因と定められ、夫婦がお互いに他の異性と関係を持たないという貞操義務は法律上の義務と考えらえています。
 とすると、日本の法律にオープンマリッジ制度が導入されることはないでしょうし、仮に夫婦間でオープンマリッジを続けるかどうかで意見の対立が生じたときに、裁判所がオープンマリッジを支持することも考えにくいでしょうね。」(前出・正木裕美弁護士)

【お話をうかがった方】

 

正木裕美(まさきひろみ)弁護士
愛知県出身。愛知県弁護士会所属。
男女トラブルをはじめ、ストーカー被害や薬物問題、ネット犯罪などの刑事事件、労働トラブルなどを得意分野として多く扱う。
身内の医療過誤から弁護士の道へと進む。2012年には衆議院選挙に愛知7区より日本未来の党の公認候補として出馬し、「衆院選候補者ナンバーワン美女」とインターネットや夕刊紙で大きな話題を呼んだ。
『女性のためのトラブル解決 愛とお金と人生の法律相談』(プレジデント社)より発売中。
『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』(CBC/TBS)のレギュラーコメンテーターをはじめ、多数のメディア番組に出演中。