栄養価が高いだけではなく、コレステロールの低下、骨粗鬆症や乳がん、前立腺がんの予防、腸内環境の調整など、さまざまな健康への効果が期待できる大豆。それには、さまざまな“特有成分”が関わっているのである。


【大豆たんぱく質】血中コレステロールを下げる

血液中のコレステロール値が高い状態が続くと、血管の内側に余分なコレステロールが付着し、血管を硬く狭くする。これを動脈硬化症といい、動脈硬化症は脳梗塞や狭心症、心筋梗塞に進行する可能性がある。
大豆たんぱく質には、コレステロールやその材料となる胆汁酸を吸着して、便中に排出する作用があるとされ、それによってコレステロール値を下げる効果が期待できる。男女ともに大豆食品の摂取量が多いほど、コレステロール値が低くなる傾向がある。


【大豆イソフラボン】骨粗しょう症の予防

女性ホルモンのエストロゲンと似た作用をもつという大豆イソフラボン。エストロゲンは、体内のカルシウムをコントロールする物質のひとつで、カルシウムが骨から過剰に溶け出すのを防ぐとともに、骨の形成を促す働きをもっている。
よって、大豆イソフラボンは女性ホルモンの分泌が減ることによって骨粗鬆症になりやすくなるため、更年期の女性には特に有効だとされる。
また、ある調査では、更年期障害で見られるホットフラッシュの発生頻度が、イソフラボン摂取量が多いほど低いという結果が出ており、更年期障害によるほてりやのぼせの緩和も期待できそうだ。
その他、血中の悪玉コレステロールの低下や、乳がん・前立腺がんの予防にも貢献するという。


【大豆オリゴ糖】おなかの調子を整える

大豆オリゴ糖は、炭水化物の構成成分である糖質の一種で、豆腐など、大豆タンパクを利用した製品を作る過程における残存物から得られる。砂糖よりもさわやかな甘みをもっており、そのカロリーも半分程度。胃や小腸を通過する途中で消化酵素の影響を受けることなく、そのままの状態で大腸まで達するのも特徴的だ。
以前は腸内ガス発生のもととして嫌われていたが、近年、腸内で善玉菌であるビフィズス菌の栄養となって菌の増殖を促進し、腸内環境を整えることが分かり注目されている。

▲豆乳は発酵によってヨーグルトにもなる。乳酸菌が含まれ、整腸効果も◎

 

【大豆レシチン】血中コレステロール、中性脂肪を下げる

大豆レシチンには、体内の余分なコレステロールを吸着して掃除をする働きがある。これによって、大豆たんぱく質と同様に、体内のコレステロール値を下げて、動脈硬化の予防をすることにつながる。
また、肝臓のコレステロールなどの脂肪を分解する働きがあることから、脂肪肝の予防にも効果を発揮。肥満を予防・改善するという点からも注目されている存在である。
その他、脳の機能を活性化させ、記憶力や集中力を高めたり、認知症にも有効とされている成分だ。


【大豆サポニン】過酸化脂質を下げる

「石鹸」や「泡立つ」を意味する「サポ」という言葉に由来するサポニンは、大豆の煮汁が泡立つときの原因成分。苦味やえぐみなど、大豆食品の風味にも影響を及ぼすものでもある。
大豆サポニンは適度な摂取により、その溶血作用で、動脈効果のもとになる過酸化物質の生成を抑えて、総コレステロールや中性脂肪を下げる働きをする。また、大豆イソフラボンと同様に、ガン細胞の増殖を抑える機能で知られるのもこの成分である。納豆、味噌、豆腐、おから、豆乳、油あげ、ゆばなどに含まれている。

▲ゆばの煮物。さまざまな料理が楽しめるのも、大豆食品のよいところ。毎日とって健康維持につとめたい