毎回、さまざまな国の書店事情を現地よりレポートしていく本連載。今回は地球の裏側、アルゼンチンからお届け。劇場を改築して作られた美しすぎる書店など。本好きにはたまりません。

 

「世界の美しい書店ランキング」で第二位に選ばれました。アテネオ書店。

 ブエノスアイレスの中心街のコリエンテス大通りは昔から多くの劇場と本屋さんが並ぶ大通りとして有名です。
 ワールドシティフォラムのレポートによると、ブエノスアイレスは一人当たり世界で最も多くの書店がある街です。人口280万人のブエノスアイレス市には734店あると言われています。
 経済破綻の経験もあるアルゼンチンですが、これらの書店は今まで生き残り、ポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)たちに今でも大きな存在をもたらしています。残念ながら今年は30%以上のインフレにより、光熱費は400%以上も値上げし、何軒かの老舗本屋が閉店するというニュースが注目を浴びています。

コリエンテス大通り

 毎年4月の下旬から約3週間にわたって、南米でもサンパウロと並んで最も大きなブックフェアがブエノスアイレスで行われます。
 今年は第42回目でした。今年はノーベル文学賞の受賞者の南アフリカ出身のJ.M.クッツェーとペルー出身のマリオ・バルガス・ジョサが来られました。
 毎年150万人の入場者たちが、2500の出版社や新聞社、大使館や各県の観光ブースを訪れます。大手出版社からインディ出版社も並んで、読書好きのアルゼンチン人は毎年このフェアを待ちます。今年はアルゼンチン作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの没後30年を迎えるので、様々な講演会やイベントが行われました。

ブックフェアの様子

 アテネオ書店は2008年イギリスの新聞「ガーディアン」が選ぶ「世界の美しい書店ランキング」で第二位に選ばれました。1903年観客収容数900人の劇場として始まり、2000年「エル・アテネオ書店」として開店。9万タイトルの書籍を20万冊以上そろえる、敷地面積2000㎡の南米最大の本屋です。  1912年に創立されたアテネオ出版社のオーナーは、この劇場が閉鎖されるのを惜しんで、この建物を書店に改装する事がブエノスアイレスの街に貢献するためには、最もふさわしいと思いオープンしました。
 ステージはカフェになっており、店内の本を読みながらお茶をすることもできます。

店内でくつろぐ人たち

 アルゼンチン人は外国の書籍より、自国アルゼンチンや南米出身の作家の本を好んで購入すると言われています。ブックフェアでも同じ傾向です。
毎年販売ランキングに入る本はノーベル文学賞を受賞されたコロンビア人のガブリエル・ガルシア・マルケスの「100年の孤独」です。

「人生がときめく片づけの魔法」

 現在、南米以外の外国作家では、イギリス人のJOJO MOYESの「Yo antes de mi」 (Me before you)が売られています。
 2012年に出版されたこの小説は今年映画化され間もなく公開されます。
(住む世界は違うし共通点はない、平凡だけでど幸せに生きているルーと事故を起こしたお金持ちのやり手ビジネスマンウィルの愛の物語)

 またアテネオ書店の5月と6月の書籍ベストセラーラに、近藤麻理恵のスペイン語版の「人生がときめく片づけの魔法」がランキングされています。