間もなく本格的な夏が到来!海や山でレジャーに出かけるのが楽しみな時期ですね。そこで、夏のレジャーを満喫するために知っておきたい法律について、アディーレ法律事務所に伺いました。
 

Q キャンプ場ではない山で本格的なキャンプがしたい!テントを張って寝るだけだし、別にいいよね?

「ご質問にお答えするために、まずは、山に勝手に入ることが不法侵入に当たるのか、を考えてみます。
 この場合、住居侵入罪(刑法130条)に該当する可能性は低いと思われます。住居侵入罪とは、住居や建造物だけでなく、建物に接してその周辺に存在し、かつ、門塀等により囲われていることで、建物に附属している土地(「囲繞地」といいます)に侵入することによっても成立します。
 しかし、山は広大ですので、たとえ建物が周辺に存在していても、山がその建物に付属しているとはいえないのが通常でしょう。ですので、住居侵入罪に問われる可能性は低いといえます。したがって、キャンプ場ではない山などでキャンプをするのも一応は問題ないといえるでしょう。

 ただし、軽犯罪法1条32号に該当する可能性はあります。軽犯罪法1条32号は、「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入った者」に適用されます。「入ることを禁じた場所」とは、柵等で容易に入ることができなくしている場所や、看板等で立入禁止を明示している場所を指します。
 以上のことから考えると、これらに該当する山に無断で立ち入った場合には、軽犯罪法1条32号が成立することになります。

 ところで、もし勝手にキャンプをして火の不始末で山火事を起こしてしまった場合はどうなるでしょう。これは、民事上、刑事上の責任が生じ得ます。
 まず、民事上の責任については、山火事が発生してしまうことについて極めて容易に予見できたにもかかわらず、山火事の発生を防止しなかった場合(「重過失がある場合」といいます)には、損害賠償責任を負うことになります。
 通常、不法行為に基づく損害賠償請求権が発生するのは、故意・過失がある場合です(民法709条)。しかし、失火責任法により、過失によって起こった火災については、重過失の場合に限って損害賠償責任を負うことになります。
 また、過失によって山火事を起こした場合、刑事罰として、50万円以下の罰金に処せられる可能性があります(森林法203条1項)。
 せっかくのレジャーですから、ルールを守って楽しみたいですね」(アディーレ法律事務所・岩沙好幸弁護士)

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