自分の腸のニーズに合ったものを選ばなければならない
 
 

 

私たちの腸内フローラは、十人十色。人によって腸内細菌のバランスは違い、乳酸菌を持っていない人も2割ほどいると考えられている。善玉菌の代表格であるビフィズス菌には、ロングム菌、ビフィダム菌、ブレーベ菌、ラクティス菌ほか、さまざまな菌種があり、現在わかっているだけでも40種。早くから研究されている乳酸菌はもっと多く、実に400種以上が発見されている。

 

「どんなヨーグルトや乳酸菌飲料を選べばよいか迷ったら、効能をよく知ったうえで、自分の腸内環境に合っている善玉菌が使われているかどうか試してみることです」と、ヨーグルト健康法を提唱している辨野義己さん(腸内環境学、理化学研究所イノベーション推進センター特別招聘研究員)は言う。

 

そのためには、同じヨーグルトを毎日100〜300g、1週間食べ続けるのが得策だ。いろいろな種類を食べてみて、その結果便通がよくなったり、便の性質が変わったりすれば、そのヨーグルトが自分の腸内環境を改善してくれたと実感できるはず。もし自分にぴったりと思える菌に出合えなくても、気に入った商品があればしばらく食べ続けてみよう。長い目で見れば、腸内フローラに変化が現れるはずだ。

 

「私は、一つの目安として特定保健用食品、いわゆるトクホの商品を選ぶことをお勧めします。整腸作用の効果がある健康食品として、国に認められたものだけが、トクホのマークをつけることができますから」

 

辨野さんは、1991年から始まったトクホ指定の基準作りにも関わった。トクホの認可を得るためにはいくつかの基準をクリアしなければならない。

 

「まず便性の改善、便秘や下痢が改善されたか、次に腸内のビフィズス菌や乳酸菌が優位に増えているか、三つ目に悪玉菌が減って有害物質が減少したか。さらに私が追加したのは、摂取された菌株が、うんちにそのまま出てくるかどうかです。いくら善玉菌を摂っても、生きたまま大腸まで届かないと意味がないですから。その点、トクホに指定された商品は、ビフィズス菌などの善玉菌が、生きて腸に届くことが保証されているので、より高い効果が期待できます」

 

トクホのヨーグルトや乳酸菌飲料は、2週間の賞味期限内に、投与した菌数をきちんと維持しなければならないことも定められているので安心だ。

 

乳酸菌やビフィズス菌は、胃酸に弱く、空腹時に食べると胃酸に負けてしまうことがある。せっかく食べるなら食前ではなく食事中か食後がいい。生きている菌が少しでも腸に届いてほしいからだ。ただし、腸内に定着する訳ではないので、新たな菌をつねに送り込む必要がある。そのためにも、ヨーグルトや乳酸菌飲料を毎日摂る習慣を身につけたいものだ。

 

辨野義己さん
理化学研究所イノベーションセンター推進センター
特別招聘研究員
1948年。大阪府生まれ。農学博士。専門は腸内環境学、微生物分類学。DNA解析により、新たな腸内細菌を発見し続けている。『免疫力は腸で決まる』『腸内フローラが病気を防ぐ』など著書多数。