運命の4月18日、第705航空隊の一式陸攻2機に分乗した山本長官一行は、ラバウル東飛行場を0605時に離陸。護衛の零戦6機は第204航空隊の所属で、ラクナイ飛行場から飛来した。

 バラレ島に向かう長官一行を先に発見したのは襲撃隊だった。0734時、高度600・の低空を飛んでいたダグラス・カニング中尉が、約5・の距離で視認。襲撃隊は旋回して長官一行の飛行進路に同航すると同時に上昇を始め、ほぼ同高度となり約1・6・まで近づいた。すると長官一行を護衛していた零戦がドロップ・タンクを捨てた。

「トム、奴を落とせ!」。無線で発せられたミッチェルの命令を聞いたランフィアと「キラー」編隊は一心不乱に2機の一式陸攻へと突進。高度を下げつつあった2機のうち、先頭を飛ぶ長官機はブーゲンビル島のジャングル上の低空で命中弾を受けて樹海に突入。

 一方、後続の宇垣参謀長機では、機長がジャングル上空を飛ぶのは危ないと判断し、海へ出て低空飛行しているときに撃墜された。機長の判断は適切で、長官機のような地上への激突ではなく海上への不時着水という結果を生み、本人、宇垣参謀長、北村主計長の3名が生還する幸運をもたらした。

 こうして、「連合艦隊の頭脳」を乗せた2機の一式陸攻は、わずか4分ほどのエア・コンバットで撃墜された。なお、アメリカ側はハイン機が未帰還となっている。

山本五十六が搭乗した一式陸上攻撃機。防弾性能が低く、被弾するとすぐに発火した。