襲撃隊は帰還後速やかに戦果報告を実施した。だが隊員たちは興奮のため、瞬間瞬間は明瞭に覚えていても「冷静な連続した記録」を記憶する力に欠けていた。報告の結果、ランフィア、バーバー、ホルムズがそれぞれ一式陸攻と零戦を1機ずつ撃墜し、総撃墜機数は一式陸攻と零戦3機ずつとされた。そして隊長のミッチェルと敵機撃墜の功があった3名、それに唯一の戦死者のハインには各種の勲章が授与され、追叙のハイン以外の全員が一階級昇進した。

 ただし、暗号解読の事実を隠蔽するため山本長官機襲撃の功績ではなく「長年の戦功を称える」という名目での叙勲と昇進とされ、襲撃隊員全員に戦争中は本作戦について語らないよう厳重な箝口令がしかれた。また彼らの氏名の発表も控えられた。隠蔽の目的もあったが、海兵隊パイロットだったランフィアの実弟が日本軍の捕虜になっており、もし日本側が彼の実兄が山本を撃墜したと知ると、復讐される恐れがあったからだ。

 戦争が終わると、アメリカ側は入手した日本側の記録との対照作業を実施。襲撃隊が撃墜したのは一式陸攻2機だけだったことが判明した。つまり、残りの一式陸攻1機と零戦3機の撃墜は誤認だったのだ。と同時に、2機の一式陸攻を落としたのは誰だったのかという疑問が再燃した。そこで軍は、当事者への綿密な聴取に加えて当時の公式記録や証言、さらに日本側の記録や証言を再度精査した。その結果、山本長官機はランフィアとバーバーの共同撃墜、宇垣参謀長機はホルムズ、バーバー、ハインの共同撃墜とされた。

待ち伏せ攻撃を浴びる直前、ラバウル基地で出撃する海軍パイロットを見送る山本五十六