秀吉の甥であり、二代目関白として天下人の後継者となった豊臣秀次。猟奇的な性格で「殺生関白」と伝わる人物像を覆し、明朗で哀愁が漂う新たな秀次像を新納慎也が表現している。17日の放送「誤解」(第28回)で悲劇的な最期を迎える秀次だが、今回の「真田丸」では、通説と違う新解釈で描かれるという。

悪評も多い豊臣秀次。どんな人物だと思いますか。

「関連書をいろいろ読むと、どれも秀次像が違って見えました。一体どんな人間なんだろうと思いましたが、実は実直で穏やかな人ではないかと自分なりに解釈しました。そうして初めて三谷(幸喜)さんの台本を読んだ時は驚きました。(秀次の人物像を)こうきたか!みたいな(笑)。殺生関白というイメージはなく、戦や地位、名誉に興味がなく、マイペースで優しい人間でした。“飄々と繊細に演じてください”。三谷さんからは言われたのはこれぐらいですね」

秀次の菩提を弔う瑞泉寺にも行かれたんですよね。

「住職さんがとても喜んでくれて、いろんな資料を見せてもらうなかで、穏やかな表情の秀次の肖像画がありました。住職は、本当はこういう人だったんですよ。今まではエキセントリックな役で描かれるけど、三谷さんにはこういう風に描いてほしいなと言われて。その秀次像が、まさに今回の秀次と一緒。すごくいい経験をさせてもらいました」

今回の物語では、秀次の人物像の描き方のほか、秀次が切腹に至った経緯や理由が最新の調査を基にした新解釈で描かれる。

諸説ある秀次の切腹。そのシーンの放映が近づいてきました。

「僕が演じてきた秀次は、(命令ではなく)意志を持って死にます。最期のシーンは、スタッフさんのはからいで(切腹までの)5シーンぐらい、その世界に入り込みやすいようにと、珍しく順撮りでやらせてもらいました。その間は、スタジオから一歩も出られず、僕はちょっと水が飲みたいなと思ったりしたんですけど(笑)」

どういう最期でしたか。

「もちろん無念という気持ちもあり、運命に翻弄されて死を選ぶわけですけど、そのなかでも秀次なりの気持ちを表現したかったんです。特に今回僕が演じてきた秀次には、それが必要だと感じました。そこで監督にお願いしました。死の間際に笑おうとする瞬間をつくらせてもらえませんかと。現場では、母のこと、兄弟のこと、きりや信繁のことなど、自分に関わってくれた良い部分が走馬灯のように浮かび、自分の人生は悪くない。秀次の思いを想像しながら演じました。今回の秀次像らしい最期になったかなと思っています」