「太る」「痩せる」は、「筋肉」と「脂肪」の関係で決まります。何をどのように食べるかもこの関係に基づいて摂取する栄養素を考えれば、自分が理想とするボディメイクに近づく早道になります。「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナーとして活動する比嘉一雄氏に話をうかがった。

 

 

  脂肪の量を減らそうとした時、『摂取カロリー<消費カロリー』、この不等式を成立させる以外に方法はありません。しかしそうした時、「摂取カロリーを減らす」べきなのか、「消費カロリーを増やす」べきなのかという疑問が出てきます。もちろん、ある程度の食事の制限を行いながら、何かしらのトレーニングに取り組むといった、両方を同時に行うのがベストです。
 しかし、どちらか一方だけを行う場合はどちらを行えばいいのでしょうか?
 その答えは2010年にLarsonらが行った実験で明らかになりました。
 Larsonらは被験者を食事のカロリーを制限するグループと、そのカロリー制限と同等の消費エネルギー分の有酸素運動をするグループとに分け、数ヶ月に渡って体重や体脂肪率、脂肪厚などの変化を測定しました。
 その結果、驚くことに、両群ともほとんど同じように体重、体脂肪の値が減少していったのでした。このことから、有酸素運動で痩せても、食事制限で痩せても体の形に変わりがないということがわかりました。ただ、採血の脂質のデータは有酸素運動群の方がいい値だったそうです。
 この実験結果からもう一つ言えることは、「ダイエットする時間がない」という言い訳はもう使えないということです。エクササイズをする「時間がない」と言う人は食事の量を減らせばいいですし、「時間がある人」は、有酸素運動か食事制限のどちらかを選べばいいのです。さらに根性があり、効率良く結果を出したいと言う人ならば、有酸素運動と食事制限両方をやるようにします。
 そして、見栄えのいい体を作っていきたいのであれば、定期的に筋トレを行って、筋肉を大きくしていけばいいのです。

◆食事+トレーニング=ボディメイク成功

 体脂肪を減らて効率良くボディメイクするには、筋トレと併せて、「食事の摂り方」を考えるのも重要な要素です。どんなに激しいトレーニングを長い時間続けたとしても、今までと同じ大食を繰り返していたのでは、良くて「摂取カロリー=消費カロリー」、場合によっては、トレーニングで食欲が増進した分、「摂取カロリー>消費カロリー」という結果になりかねないからです。よく「運動しているのに痩せない」という方がいますが、祖いう人の話を聞くと、総じて、自分が考えている以上に「痩せない」食事の摂り方になっていることがほとんどです。
 パーソナルトレーナーの私が言うのも、少しおかしいかもしれませんが、「運動だけ」で痩せようとするのは難しいのです。
 かと言って、単純に食事の総カロリー量、つまり食べる量を減らせばいいと言うものでもありません。これまでも時々触れていますが、必要な栄養素まで減らしてしまう極端な食事制限は、体脂肪ばかりか、ボディメイクの重要なポイントである筋肉まで減らし、そのうえ健康まで害することになりかねないからです。
 私自身は、ボディメイクはトレーニングをしっかりやることに加えて、食事に関する気の使い方が「6割」程度を占めていると考えています。
 一生懸命にトレーニングするのは良いことなのですが、それだけなら「消費行動」だけです。負荷がかかって、微細な損傷を受けた筋肉繊維を修復させようとしても、そのときに肝心の「筋肉を作り出す栄養素」が体内に存在しなければ、逆に筋肉は細くなります。それに当たり前のことですが、体を動かすエネルギーとなる栄養素がないとトレーニング自体を行うことができません。
 適正な食事を摂ったうえで、適切なトレーニングをすることでボディメイクは成功するのです。つまり「食事(6)+トレーニング(4)=ボディメイク成功(10)」ということができます。