「太る」「痩せる」は、「筋肉」と「脂肪」の関係で決まります。何をどのように食べるかもこの関係に基づいて摂取する栄養素を考えれば、自分が理想とするボディメイクに近づく早道になります。「研究」と「現場」のハイブリッドトレーナーとして活動する比嘉一雄氏に話をうかがった。

 ボディメイクにもっとも大切なのはタンパク質です。そして運動のためのエネルギーとして必要な糖質ですが、消費しきれなければ体脂肪として蓄積されてしまいます。

 

 さらに、糖質を一定量以上摂取すると血糖値が上昇し、それを抑えるためにインスリンが分泌されます。インスリンは、各細胞の内側にある「GLUT4」というタンパクを細胞の外側に移動させて、血中の糖を細胞内に取り込み血糖値を下げるのです。
 最近では、このインスリンによる細胞中への栄養素を引き込む作用を抑えようと、血糖値を低く保つような糖質カットのダイエット法が流行っています。確かに脂肪細胞の肥大は、この方法で防ぐことができるでしょう。
 しかし、このダイエット法は、視点が「脂肪細胞」の方にしか向いてません。筋肉だって細胞なので成長するためには、インスリンによって細胞内に糖質を取り込まなければなりません。そうしなければ、筋肉を動かす、つまり収縮させるためのエネルギーが生産されないからです。
 「筋肉細胞」に目を向けると実は低糖質ダイエットは危険なのです。
 逆にトレーニング後、プロテインを摂取するときに、糖質を一緒に摂取すると、インスリンがトレーニングによって枯渇した筋肉細胞に優先的に作用してタンパク質を積極的に摂り込み、筋肉の成長を強く促してくれることも分かっています。
 トレーニングした日は積極的に「タンパク質」+「糖質」の食事を摂って、それ以外の日は糖質の量を抑えるといった食事スタイルを守りたいものです。「How to」だけでなく「Why」を知れば、場面によって使い分けることもできるのです。脂質の摂取を抑えたいのであれば、プロテインサプリメントの利用もお勧めです。

◆「糖質」+「脂質」の組み合せが危険

 筋肉を成長させるには「糖質」+「タンパク質」の栄養摂取が有利なのですが。このコラボ同様に、「糖質」+「脂質」となるとどうでしょうか。
 「危険」です。この二つの栄養素を一緒に摂取すると、糖質の効果でインスリンが脂肪細胞中のGLUT4を外側に動かし、脂肪細胞の中に栄養を引き込むので、体脂肪の合成が増大されてしまいます。つまり、太りやすい状況を作り出してしまうのです。ボディメイクの観点から言うと、このような組み合せに食事は避けるようにしたいものです。
 糖質と脂質が一緒に調理されているようなメニューには、ラーメンやピザ、パスタ、カレーライスなどがあります。生クリームと砂糖が合わさったケーキやクッキーといった洋菓子は、まさに「糖質」+「脂質」の代表格のようなもので、体脂肪を増加させるために存在するような食べ物です。
 食事制限の方法で、体脂肪をこれ以上増やしたくない、または減らしたいというのであれば、これらの食事をできるだけ摂らないようにしましょう。また、トレーニングで積極的に体を動かして、筋肉をデザインしていことも視野に入れて、体づくりに励んでください。ボディメイクは、食事とトレーニングの組み合せなのです。