『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)を上梓。常に第一線のジャーナリストとして活躍したきた田原総一朗氏に話を聞いた。 

Q3.時代に合わせた「憲法改正」は必要なんでしょうか?

 

 日本は終戦後に作られた憲法を全く変えることなくここまで来ている。これには憲法に触れることがタブーだという風潮があったからです。戦後の主要国を見ると、アメリカが6回でフランスが27回、同じ第二次世界大戦の敗戦国であるイタリアは15回、ドイツに至っては58回も改正している。 

 それをどう見るかは人それぞれだろうけれど、時代の流れや要請によって、改正するべきところと、変えるべきではないところをしっかり見極めていく必要がある。
 日本の場合難しいのは、平和国家なんだと謳っていて、それでアジア諸国からある程度信頼を得ている点です。では、「平和国家と何か」という定義が難しい。
 今までは自衛隊は持っているけれど、これは軍隊ではない。隊員も軍人ではなく、特別職国家公務員。警察であるということで平和国家と言うことができた。成り立ちからしても、最初が警察予備隊、それから保安隊となって、自衛隊という流れで変化してきた。これは日本が求めたものではなく、アメリカに言われて作ってきた。それで日本は、集団的自衛権を行使する権限はあるけれど、憲法上できないということを60年代から言ってきているんだから。
 世界的に見ても、自国の領土を自前で守れる国はアメリカとロシア、そして中国くらいしかない。ヨーロッパもNATOという組織を作っている。 
 これは集団的自衛権です。
 それを考えると、さっき言った「集団的自衛権を行使する権限はあるけれど、憲法上できない」ということは誤魔化しじゃないか、と思い始めている。端から見れば立派な軍隊である自衛隊を軍隊ではない。集団的自衛権にしても、権限はあるけれど、憲法上できないということに、自分たちで矛盾を感じてきているんだよ。その部分をまともに論じなければいけない時期に来ているんだと僕は考えている。

 これまで、論議されているように感じているかもしれないけれど、実は深いところまでは触れられたことが全くない。さっきも言ったけど、国民の多くが憲法改正に反対なのは、改正すると戦前の日本と同じようになるんじゃないかという気持ちがあるから。旧大日本帝国憲法の影と、それを根拠として軍部が台頭した過去の恐怖を引きずっているんです。
 しかし、だからこそ、戦争中の反省も含めて、憲法の在り方についての議論を重ねて、戦後の日本から本当の独立を果たし、大きく変わらなければいけない時期に来ているんです。

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明日の第四回の質問は「都知事選、自民党の支援を受けていない小池百合子氏が圧勝でしたがどうお考えですか?」です。