これまでさまざまな人物像で描かれてきた豊臣秀吉。「真田丸」で小日向文世が演じる秀吉が、第31回「終焉」(8月7日放送)で最期を迎える。無邪気な明るさの裏にドロドロとした狂気が特徴の「小日向秀吉」。天下統一という大事業を成し遂げた男だからこそ、常人では理解できない両極端の感情があるのかもしれない。果たしてどのような最期になるのだろうか。

笑顔のシーンでも目の奥が笑っていないと評判でした。

「台本に書かれている通りに表情を作っているだけなんです。そんなに怖いかな。僕は笑っているつもりなんですけど。目の奥が笑わない芝居って難しいですよ(笑)。きっと秀吉の裏の部分を視聴者がわかっているから。笑っているようで実は相手の心を見抜いている、と想像してくれるからじゃないかと思う。秀吉が人たらしと言われるのは、そういう能力が優れていたからかもしれませんね」

秀吉を演じることで意識していたことはありますか。

「寧(秀吉の正室。北政所)に対して無邪気な秀吉。一方で茶々に対して恐ろしいぐらいに嫉妬に狂う秀吉。その両極端の感情の間にある、政治的な部分での冷静な秀吉。大きく分けるとこの3つを意識しました。今回の秀吉像は、喜怒哀楽がはっきりして、しかもその感情が行ったり来たりしている。役者冥利に尽きるキャラクターですね」

欲望の赴くままに生きた天下人がどのように死を迎えるのか。その様は大きな見どころとなる。

演じてみて秀吉は、どのような人生だったと感じますか。

「僕が演じた秀吉は、自分の思う通りに進まないと、とにかく腹を立てる。でも自分の欲が叶っていれば、いつもニコニコしている人。普通、大人は欲望を理性で抑えたりするんでしょうけど、そのタガが最初から外れているような気がします。人間の業なのかもしれないけど、天下統一しても、いつも満たされていない部分が心にある人生だったかもしれないですね。子供が生まれてからは、欲がさらに深くなり、同時に家康の影に怯えていたんじゃないかな」

台本には最期、無念の涙を流すとあります。どのような心境で最期を迎えるのでしょうか?

「正直言うとあっけらかんと孤独に、あー死んじゃったと終わるのがいいかなと思っていましたが、息を引き取ってからスーっと涙を流してほしいと言われました。もし秀吉から一筋の涙が流れるとしたら、その真意は何だろう。秀頼を残して逝く不安というよりも、もう少し生きたかったという即物的な涙かもしれないですね」