「休養日」導入3年目の夏

 夏の風物詩、甲子園はベスト4が出揃い、2013年から導入された「休養日」を迎えた。これまで決勝に進むチームは最大で4連戦となっていたため、選手の身体的な負担を減らし、また準決勝、決勝をより公平な条件で行うことなどを目的とされた制度である。遅きに失した感は否めないが、画期的な取り組みであったといえよう。

 球児たちのひたむきな姿勢はいつも多くの人々の心を打つが、その一方でまだまだ成長過程にある彼らの「身体」への懸念もまた、風物詩のように議論の的となる。特に投手については、分業化が進んでいるとはいえ、「肩」や「肘」を酷使しているという批判が後を絶たない。今夏の甲子園でも、プロ注目の右腕・アドゥワ誠投手が187球を投げるなど、その傾向は相変わらず続いている。

 そして、そうした批判がなされるたびに比較されるのがアメリカ、メジャーリーグにおける投手への考え方である。日本に関する著作を多く残す著名なアメリカ人作家が、甲子園におけるある投手の連投を見て「アメリカのコーチだったら児童虐待だと言うだろう」と発言したと報道されるように、「球数」に関して厳密に規定しているアメリカ野球と、勝利のために連投も辞さない高校野球はつねに対照的な存在として語られてきた。

 では果たしてメジャーリーグは、日本の高校野球についてどのように見ているのだろうか。ひとつの重要な示唆を与えてくれる書籍がある。

 アメリカ・メジャーリーグを17年にわたり取材をし続けるニューヨーク在住のスポーツライター、杉浦大介氏が2014年に記した『日本人投手黄金時代』がそれだ。メジャーリーグが「甲子園」をどのように見ているか、メジャーリーガーや現地ジャーナリストに取材をしてまとめた章がある。

 まず、杉浦氏は「メジャーが甲子園について持つイメージ」について、こう記す。