秀吉から無理難題を押し付けられても、淡々と仕事を進めて、豊臣政権を支えたきた石田三成。山本耕史が演じる三成は、感情豊かな秀吉とは対照的に無表情を貫き、常に冷静なキャラクターである。

真田丸で描かれる三成像について、どんな印象を持っていましたか?

「台本を読んだイメージは、端的に明確なことだけを言って余計な仕草もしない。ロボットみたいな役という感じですね。小日向さんの秀吉がとても自由な感じで、僕はその横で、すっと息を止めて存在している。そこで対比が出てくればいいなと思っていました」

脚本の三谷幸喜さんからリクエストはありましたか?

「三谷さんから言われたのは、今まで描かれた三成像のなかで一番熱い男であるということでした。ですから今回の三成役は、とても難しい役だと思っています。動かず、反応せず、表情も変えない。それでいて“熱い”という人間らしさがプラスされている。あまり熱くやりすぎると三成ではない気もするし、冷静沈着にやりすぎてもいけないと心がけています」

印象的なシーンはありましたか?

「加藤清正と福島正則に対して、私が『馬鹿と話すと疲れる』と漏らすシーンがあったんです。このセリフを台本で見て、家康役の内野(聖陽)さんが『めっちゃ耕史っぽいよね』って(笑)。否定しても『いや、ぴったりだよ』って。もしかしたら三谷さんは僕が言いそうだと思ってあてがきしているかも、と思いましたね。確かにうるせえとか、馬鹿野郎とか、罵るセリフがある。そんなこと言ったこともないんですけど(笑)」

 歴史上の人物を演じるときは、「ゆかりの地を訪れることを出発点にする」という山本。実際に現地に足を運び、町の人と話すことで役作りのヒントを得ている。

ゆかりの地は、どこに行きましたか?

「生誕地である滋賀県の石田町をはじめ、寺小姓をしていた観音寺など、ほとんど行ってると思います。三成ショップも行ってます」

 現地でどんなことを感じたのでしょうか?

「嫌な奴というイメージが強い三成ですが、ゆかりの地に伝わる三成像を聞くと、実はとてもふくよかな性格で人間らしい人物ということがよくわかりました。今でも親しみを込めて、三成さんと呼ぶ町もあるんです。そこには台本だけ読んでいたら感じることのない、気づきがある。芝居に見えないんですけど、演じる上で心の広がりをもたらしてくれるんです」