日本の美点を振り返ろう!!そんなコンセプトで世界から絶賛されている、知っている様で知らない、日本の食・技術・カルチャー・経済を紹介する『世界が絶賛する日本 われわれが知らない進化する真価』(Japan's best編集部:編)絶賛発売中。今回は本書の中でも世界を変える日本の技術を紹介します。

宗教の壁を越える日本企業の技術ノウハウ

    近年、イスラム教徒(ムスリム)が急増し、2010年時点の16億人(世界人口の約4分の1)から、2050年には27億6000万人(同3分の1)にまで増えるといわれています。

   こうして存在感を高めるムスリムですが、じつは彼らの巡礼や祈祷などの営みに大きく貢献し、感謝されている日本の企業があるのをご存じでしょうか?

▲イスラムの聖地、猛暑から巡礼者を守る巨大テント ©太陽工業/野町和嘉

 イスラム教の聖地であるサウジアラビアのメッカやメディナでは、夏の平均最高気温が40℃を超えます。巡礼もこの猛暑のなかで行われ、祈っているうちに熱中症で倒れる人も少なくありません。
    そこで大活躍するのが、日本製の巨大な日よけテントです。聖地・メディナの巡礼施設には、大阪の「太陽工業」が生産した1辺25・5メートルの正方形のテントが250基も設置されています。このテントは電動で傘のように開閉するもので、総面積は16 万平方メートル以上、東京ドーム12個分以上もの大きさになります。

©太陽工業/野町和嘉

   このテントを手がけた太陽工業は、大型テント構造物の最大手メーカー。自社で新素材の開発から設計・製造・施工までできるという強みをもつため、東京ドームをはじめとする国内外の大型テント構造物を多数手がけ、現在は世界シェアの約70%を占めています。

 また、イスラム圏以外に住むムスリムに喜ばれているのが、日本の計算器メーカー「カシオ計算機」の腕時計「PRAYER COMPASS(プレイヤー・コンパス)」です。

 ムスリムは1日5回、決められた時間にメッカの方角に向かって祈りを捧げる礼拝(サラート)をしなければなりません。そこでカシオは、世界のムスリムに向け、世界のどこにいてもメッカの方角を指示し、祈りの時間を通知する腕時計を開発したのです。

「宗教の壁は大きい」といわれることの多い昨今ですが、善意と日本の技術のノウハウをもってすれば、そうした大きな壁すらも乗り越えられてしまうのです。

世界が絶賛する日本 われわれが知らない進化する真価』(Japan's best編集部:編)より