関ヶ原合戦において、非業な最期を遂げた大谷吉継。主人公・信繁とは愛娘を嫁がせるほど心を許した間柄で、病に侵されながらも信繁の相談に乗り続けた。「治部、楽しかったぞ」という、三成との友情に生きた最期の台詞が印象深かったのではなかっただろうか。義を貫いた吉継を演じた片岡愛之助が「男気のある武将」の魅力を語った。

 今回の物語では、吉継はどういう人物でしょうか?

「今回は石田三成が冷静沈着に 物事を鋭く見極める人物として描かれており、それをさらに俯瞰して大局を見ているのが大谷刑部(吉継)ですね。男気があって忠義に厚い人物。声を荒立てるシーンがなく、いつも冷静で落ち着いている。セリフも『そうだな』ばっかりなので、僕はこのまま死んじゃうのかなって(笑)。信繁役の堺雅人さんと『いい人すぎて怖いよね』って。その一方で千利休に切腹を言い渡したり、物事を成し遂げるために仕方のないことだと割り切って、冷酷な一面もある」

脚本の三谷幸喜さんから要望はありましたか?

「素敵に格好良く演じてくださいって。でも台本には落ち着いたシーンばかりで、どう格好良く演じればいいかわかんなくて、難しいななんて思ってやってました。それで、ある時メールしたんです。僕の刑部は正解なんですかって。そうしたら大正解ですと (笑)。関ヶ原の西の陣のなかで、颯爽と吹く風のような男であってくださいと言われました。颯爽と吹いているかは、定かではないですけどね」

 吉継は三成と異なり、家康を敵視しておらず、むしろ良好な関係であったという説もある。それでも吉継は関ヶ原の戦で石田三成に加勢する。吉継と三成の熱い友情のシーンは見どころでもあった。

 35回放送(9月4日放送)から3回に渡って関ヶ原が描かれましたが。

「吉継と三成の男の友情が描かれると思います。ただ単に信じているとか、仲が良いという関係ではなく、二人の関係性ならではの、もうひとつ違った感じの男の友情の世界というんですかね。涙なしでは語れないという話です。あと、壮大なロケ撮影をすごく楽しみにしていたんですが、ロケがないまま関ヶ原が終わってしまったのは衝撃的でした(笑)」

二人の絆が確認できるんですね?

「そうなんですよ。ここにきてようやく熱い芝居ができるんですけど、そのときにはもう僕(吉継)は死にかかってる (笑)。これが元気ならガンガンと芝居もできるんですが、病にどんどん侵されて目も見えないような状態でも、奮闘するんですから。その分、芝居は非常に苦しくもありましたが、とてもやりがいのある役でしたね」