■子どもが「ママ、頑張ってる?」と聞いた理由

 子どもの言動にハッとすることってありますよね。かつては自分も持っていたはずのその感性、どこに置いてきてしまったのだろう……そんなふうに思わせてくれる一冊が話題を呼んでいます。
「かわい過ぎる」「不覚にも泣いてしまった」……と反響が寄せられている男性保育士による『ハンバーガグー!』(てぃ先生・著)。そのひとつをご紹介します。

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 朝、パパやママと登園して来る子どもたち。お別れの際に子どもがかける言葉はご家庭によってさまざまです。
「いってらっしゃーい!」
 と手を振るパターン。一番多いです。
「きょうは はやい?」
 今日のお迎えが早いのか遅いのか確認するパターン。毎日同じでも一応確認します。
「きを つけてね」
 身の安全を心配するパターン。君もね。
「……」
 すでに遊びに夢中でなにも声をかけないパターン。パパやママにとっても、後ろ髪を引かれる思いをしなくてすむので意外と好評のようです。
 男の子(4歳)はいつも、
「がんばってね!」
 ママにこう声をかけています。
「がんばるね! ○○くんもね!」
 ママも男の子にこう返します。お互いのおでこをくっつけながら言い合う、その姿がいつも微笑ましく、こちらまで元気をもらうのです。

 その男の子が登園時に珍しくぐずる日がありました。そんなときもあります。眠いとか、体調が万全でないとか、どうにも寂しいとか。
 ママはいつもと変わらず「がんばろうね!」と言っておでこをくっつけようとしますが、男の子は頑なに拒否します。それがお別れの合図だとわかっているからです。その日は泣いたまま、ママが「行って来るね」と言うだけになりました。
 その後、園庭で遊んでいると、男の子が僕のところにやって来て言いました。
「ママ がんばってるかな?」
 寂しそうな表情で言います。いまにも泣き出しそうです。「絶対に頑張っているよ」と答えると、小さく頷いていました。

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