トランプ VS クリントン、第一回の公開討論会が終了。投票日である11月8日も目前のアメリカ大統領選挙。依然、ネガティブなイメージで報道され続けるトランプ候補。かたや健康問題が危惧されるがハト派なイメージで紹介されるクリントン候補。果たしてどちらが、アメリカにとって、そして日本にとって、どちら国益になるのでしょうか? そもそも日本人はアメリカ大統領の実像を知っているのでしょうか? 
主要なアメリカ大統領を採点しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でも日本人が思い描いているイメージとかけ離れたアメリカ大統領を厳選。倉山先生採点のアメリカ大統領ご紹介します。

キューバ危機も結局自分で起こした火事を自分で消しただけのこと!?
第35代 ジョン・F・ケネディ

第35代 ジョン・F・ケネディ
①国益への貢献        4点☆☆☆☆
②世界秩序への貢献 3点
☆☆☆
③正気を保ったか  1点

 

 まず国益ですが、色々と手はつけていて内政では評価されています。

 一応私は公民権運動への取り組みによる黒人解放を評価するので4点ですが、アメリカの保守派の中には、ケネディ時代以降にアメリカの移民問題が悪化して伝統と国益を損ねたとする意見もかなりあるようです。

 世界の秩序への貢献に関しては、ソ連によるベルリン封鎖に対して駐留軍を増派して張り合い、負けなかったことは評価できます。

 逆にまったく評価できないのが1962年のキューバ危機です。

 アメリカがキューバでやりたい放題しすぎた挙句に革命が起こり、ケネディはピッグス湾上陸作戦(1961年)を命じてカストロ政権の転覆を図ったものの無残に失敗します。

 結果、カストロ政権はソ連との関係を深めることになりました。その後キューバにソ連の核ミサイルが持ち込まれていることが発覚し、米ソのにらみ合いになったのがキューバ危機ですから、自分で起こした火事を自分で消しただけのことです。

 アメリカ側はキューバの核ミサイルを撤去させる代わりにトルコの核ミサイルを撤去させられているのですから、何の褒めた話でもありません。

 ベトナム戦争にもケネディ時代からずるずると足を踏み入れかかっています。
    ひと言で言えば、アイゼンハワーがやったことをぶち壊していったのがケネディ政権でした。
    日米関係で言うと、ケネディと池田勇人総理の関係は、民主党政権にしては決して悪くありませんでした。  
    何より、池田勇人の外交感覚が卓越していて、キューバ危機のとき即座に支援しています。
   ちなみにこのとき、フランスのド・ゴールは普段アメリカの悪口を言いまくっていながら、イギリスよりも早く支援を表明しました。いざというとき味方につくからこそ、普段平気でケンカできるものです。本当の同盟関係は、いざというときに、どちらにつくかに現れます。

<採点方法>
① アメリカの国益にどれほど貢献したか
② 世界の秩序にどれほど貢献したか
③ いつまで正気を保ったか
①と②は他の国の指導者にも適用可能な普遍的なものです。
そこへもうひとつ③の基準がどうしても必要なのがアメリカならではです。①はアメリカ人から見たときの基準、②はアメリカ以外から見た客観的な基準、③は自然科学的基準です。各項目5点満点の5段階評価です。

大間違いのアメリカ合衆国』より
明日は、トランプも目指している?古きよきアメリカを取り戻そうとしたレーガン大統領です。