トランプ VS クリントン、第一回の公開討論会が終了。投票日である11月8日も目前のアメリカ大統領選挙。依然、ネガティブなイメージで報道され続けるトランプ候補。かたや健康問題が危惧されるがハト派なイメージで紹介されるクリントン候補。果たしてどちらが、アメリカにとって、そして日本にとって、どちら国益になるのでしょうか? そもそも日本人はアメリカ大統領の実像を知っているのでしょうか? 
主要なアメリカ大統領を採点しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でも日本人が思い描いているイメージとかけ離れたアメリカ大統領を厳選。倉山先生採点のアメリカ大統領ご紹介します。

トランプも目指している?古きよきアメリカ復活を図ったレーガン!!
第40代 ロナルド・レーガン

第40代 ロナルド・レーガン
①国益への貢献       3点
☆☆☆
②世界秩序への貢献 10点☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
③正気を保ったか  5点☆☆☆☆☆

 

   レーガンの内政は、ソ連を潰すために犠牲にしたところもあって、あまり上手くありませんので三点です。

 このころはちょうど公民権運動から二十年経って、文化がなくなっていく時代でした。アメリカ映画などで、よく、八〇年代はアメリカの価値観の転向の時期だったと言われるのもそのことです。

 差別というのは文化の裏返しなので、「差別」はダメだと言ってあらゆる「区別」をなくしてしまうと、文化がなくなってしまうのです。ポリティカル・コレクトネスという言論規制が跳梁跋扈する状況が、部分的には日本よりはるかにひどくなるのもこのころからです。レーガンは古き良きアメリカ的価値観の復活をさせようという意図はあったものの、実際に復活させるところまでは行かれませんでした。

 事実上、レーガンがソ連を潰す路線を引いているので、世界の秩序への貢献は10点、正気度は5点です。

 レーガン政権時代の日本の首相は、残念なことに最初が鈴木善幸、次が中曽根康弘でした。鈴木善幸はいきなり「日米同盟は軍事同盟ではない」と言い出したほど、常識というものを持ち合わせない「暗愚の帝王」ですから論外です。

 中曽根は鈴木よりはマシですが、最大限親米派を装った親ソ政権でした。ソ連のスパイだった疑いが濃厚な瀬島龍三と根っからの反軍主義の後藤田正晴を重用し、田中角栄に支配されていたのですから、親米のわけがありません。その一方で、外交では親米派の安倍晋太郎外務大臣を死ぬほどこき使い、国際政治でも風見鶏を決め込んでいます。

 中曽根長期政権が続いた背景には、日本をつなぎ留めておかなければダメだという意思が、西側陣営の首脳たちにあったからでしょう。

<採点方法>
① アメリカの国益にどれほど貢献したか
② 世界の秩序にどれほど貢献したか
③ いつまで正気を保ったか
①と②は他の国の指導者にも適用可能な普遍的なものです。
そこへもうひとつ③の基準がどうしても必要なのがアメリカならではです。①はアメリカ人から見たときの基準、②はアメリカ以外から見た客観的な基準、③は自然科学的基準です。各項目5点満点の5段階評価です。
 

大間違いのアメリカ合衆国』より
明日は、言い訳は田舎の中学生!ヒラリー候補の旦那、クリントン大統領です。