「お祓い」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

 神社における「お祓い」とは、子供の成長を願う「初宮詣」や「七五三詣」、新車を購入した際の「交通安全祈願」など、人生の節目における個人の御祈願(御祈祷)のことを指します。また、建築や土木工事を開始する際、土地を清め、関係者の安全を祈る地鎮祭、起工式など、神社の外での祭典も「お祓い」と呼んでいます。このように、お祓いの定義は漠然としており、わかりやすく言えば、神職が斎行する土地や人間を清めるための儀式全般です。
 私は神職として、千葉県内のとある神社で奉仕しておりますが、日々のお勤めのなかで、参拝者の方から様々な相談をお受けします。
「最近、悪いことだらけで、何か憑いているようなのでお祓いしてください」「心霊写真を撮りました。気持ち悪いのでお祓いしてください」など、霊にかかわる相談を受けることも度々あります。夏の季節になりますと、テレビ番組の怪奇特集で、有名な霊能者や陰陽師が、過激な演出で「除霊」を行っています。特定の信仰をもたない人からすると、神社もお祓いも、霊能者のお祓いも同じ行為に見えるのかもしれません。霊の問題をどこで対処すれば良いかわからないので、一番身近な宗教施設である神社やお寺に相談することになるようです。
 実を言うと、神社神道の世界において、「霊魂観」が明確に定められておらず、「除霊」や「悪魔祓い」などの儀式は公式には認められていません。したがって、霊に関わるお祓いをどのように対応するかは、各神社の判断となります。ちなみに、私どもの神社は、その事実を御了承いただいた上で、「除災招福祈願(悪いことを祓って、福を招く)」、または「心願成就祈願(個人的なお願いごとを祈る)」という形でお祓いを斎行します。神職は、神様と参拝者の仲介役です。決して神職の力でお祓いするのではなく、祈願者のお願いごとを神様に申し上げ、その成就を祈念します。祈願の儀式の流れは、神社によって若干の違いがありますが、基本的には同じ形式をとっています。白い大麻(おおぬさ)を振り参拝者を祓い清め、祈願者の願いごとを大和言葉で表した祝詞(のりと)を奏上します。そして、鈴もしくは金幣を振り、祈願者に玉串を捧げてお祈りいただきます。