大友啓史監督が、俳優・小栗旬と互いに望んで最強タッグを組んだ最新作『ミュージアム』がついに完成。
“史上最悪の殺人アーティスト”と壮絶に戦う刑事を演じた小栗が、その撮影で観た世界、得た経験とは。

 

「大友(啓史)監督の現場は、役者仲間の中でも好きな人と嫌いな人に極端に分かれるんですよ(笑)」。そう語る小栗旬が今回大友監督と挑んだのは、残虐な犯罪描写とゲーム性に満ちたストーリー展開で漫画大国日本を震撼させた問題作の映画化。雨の日にだけ起こる猟奇殺人事件を追う刑事・沢村を演じている彼は、大河ドラマから最新映画まで、大友組に参加した親しい俳優たちの名を挙げながら、自身の撮影も楽しそうに振り返る。

 

小栗 ものすごい長回しな上にテイクを重ねる回数も多いから、『最後は本っ当に飽きる!』と嘆く人もいれば『面白い監督だよ!』と言う人もいて(笑)。…僕は後者でしたね、やりやすくて楽しかったです。昔はテレビドラマもマルチカメラで頭からケツまで一気に撮ってたし、そのほうが性に合うのかな。

 

俳優だけでなく、クリエイターとしての見識を持ち合わせる小栗。以前から大友作品の「ハリウッドスタイルみたいな映像の撮り方」が気になっていたため、それこそ飽きるほどの撮影も覚悟の上で臨んだそうだが、うれしい誤算が一つ。

 

小栗 今回大友監督と初めてタッグを組んだカメラマンの山本英夫さんが相性よかったみたいで、そんなにテイクを重ねなかったんですよ。大友組が予定より巻くのは奇跡だってみんな言ってました(笑)。

 

進行はスムーズでも、話の内容は「漫画を読みきった時、本当に嫌な気持ちになりました」と言わしめたほど心理的にハード。

 

小栗 沢村は刑事としてとても優秀で、勘が鋭い。そこを大事に描こうという話は監督としたんですが、妻や子供より仕事優先、コンビニ飯で夜な夜なビールを飲むような生活スタイルを持つ、スタンダードな30代中盤の男性でもある。そこがベースなので体作りとかは特にしなかったんですが、家族がいるという面では、自分にその環境がないまま想像でやるよりすんなり入れたんじゃないかと思いまね。

 

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