患者の話を聞こうとしない医師は失格

「研修医になった時、上級医の医師から最初に言われたのは『患者さんが来たらまず、100秒間、話を聞きなさい』ということでした」と話すのは浅草クリニック(東京・台東区)副院長の内山伸さん。聖路加国際病院で研修医時代をすごし、現在も同病院の非常勤医を兼任している。

「初診の際は、医師が診る前に患者さんに主訴(来院するきっかけとなった症状)を問診票などに書いてもらいます。これで9割ぐらい病気の予想はつくのですが、患者さんは聞いてほしいという気持ちが強い。100秒ほど話を聞けば、患者さんの気持ちも落ち着いてくるので、とても大切なんです」。

 しかし、100秒というのは意外に長い。患者の話を遮さえぎらずに、それだけの時間、ずっと聞き続けられる医師は少ない。それでも、患者の話を聞こうとする姿勢を見せる医師は及第点だろう。中には、患者の声にほとんど耳を傾けず、自分のペースで診察を進めようとする医師もいる。

「話を聞くまでもないケースがあるのも事実ですが、患者さんの安心感のために、ちゃんと向き合うべき。効率だけ考えて、さっさと進めようとするのはダメ医者と言わざるをえません」。