意外に巨大な「M性感」の市場

ベスト新書『不倫経済学』(門倉貴史)より、性風俗サービスの「M性感」と回春エステが
どのくらいの市場規模を誇っているのかを紹介。学術的に「お尻を叩かれるときのコスパを上げる方法」もこっそりお教えする。

 一般的な傾向として、中高年男性の間では、ソープランドやヘルスなどハードなサービスを提供する性風俗店よりもソフトなサービスを提供する性風俗店のほうが人気だ。ソフトな性風俗のジャンルの中でも、とりわけ「回春(かいしゅん)エステ」や「回春マッサージ」を支持する声が多い。

 
 
 

 「回春エステ」「回春マッサージ」は、エステティシャンまたはセラピストと呼ばれる女性が男性客に性感マッサージを行って、快楽と癒しの時間を存分に楽しんでもらうサービスのこと。「回春エステ」のサービスは、店舗型・派遣型の2種類があるが、いずれも性風俗店として警察署に届け出をしていなければならない。料金は80分で1万5千円から2万円ぐらい。日本の性風俗は百花繚乱で、他国で類をみないほど豊富なジャンルが存在する。

 多様な風俗が存在する日本で、若い頃から様々な性風俗を経験してきた人であっても、最終的には「回春エステ」や「回春マッサージ」に落ち着くことになると言われる。

 というのも、中高年になると、性風俗のサービスに快楽の要素だけでなく、癒しの要素を求めるようになるからだ。

 また、中高年になると、精力の減退を強く意識するようになるので、ファッションヘルスをはじめとする普通の性風俗店では、十分に快楽を味わうことができないという問題が出てくる。その点、「回春エステ」のメニューは、性欲を発散させるというよりは、失われた男性機能の回復に主眼を置いたサービスが多いので、精力の減退に悩む中高年男性であっても満足できるようになっている。

 「回春エステ」はアロマオイルを使ったオイルマッサージを提供する普通のエステとは違って、セラピストの女性が男性客に「密着マッサージ」や「睾丸マッサージ」「前立腺マッサージ」を行う点に特徴がある。

 このうち「前立腺マッサージ」は、セラピストの女性が男性客の肛門に指を挿入し、膀胱の真下に位置する前立腺を刺激するというもの。「前立腺マッサージ」は、もともとは医師が行う医療行為だが、回春マッサージの一環としても行われることが多い。

 筆者の推計では、全国の「回春エステ」「回春マッサージ」の市場規模は2014年で約100億円に上る。「回春エステ」「回春マッサージ」に似た性風俗のジャンルに「M性感」というものがある。

 これはSMプレイの一種。最近では、中高年男性を中心に鞭やローソクを使ったハードなSMプレイよりもソフトなSMプレイを好む男性が増えており、それを反映するようなかたちで「M性感」が人気となっているのだ。

「M性感」は性感ヘルスとSMクラブの中間に位置する風俗のジャンルで、客はプチSMプレイ(客がMになる)を楽しむことができる。

ベスト新書『不倫経済学』(門倉貴史)より抜粋

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