レントゲン・CT・MRI…いま私達は当たり前のように病院で検査を受けているが、これにも元々はノーベル賞を受賞した発見があった。医療へ多大な貢献をしてきた物理学の発見と研究の進展を、サイエンス作家・竹内薫さんがやさしく解説します。

 日本人の研究ではないですが、第一回ノーベル物理学賞をとったレントゲン(1901年ヴィルヘルム・レントゲン氏がX線の発見でノーベル賞受賞)。そしてCT(1979年アラン・コーマック氏がCT技術の開発でノーベル賞受賞)、あとはMRI(2003年ポール・ラウターバー氏とピーター・マンスフィールド氏がMRI関連の業績によりノーベル賞受賞)。この3つは押さえておくべきでしょう。レントゲンはノーベル物理学賞でCT、MRIは生理学・医学賞でとっています。

 いま病院に行けばこれらの技術は当たり前に使われていますよね。面白いのはこれらを研究した人は物理学者(ラウターバーは化学者)ばかりだということ。物理学のテクノロジーで開発してそれが医療に使われたということですね。これらの研究はある程度研究段階から医療への応用、体の中が透けて見えるのは医療に使えるぞと考えていたはずです。

 まずレントゲンとは何か? からお話していきましょう。レントゲンは基本的にはX線のこと。X線というのは光です。そして「光」とわれわれは言っているけど実際は電磁波。さらにその電磁波というのは波長によって名前がたくさんついていて、波長の短い順に言うと、ガンマ線、X線、紫外線、普通の可視光、赤外線、電波などなど。これらは全部同じですよ。ついでに言うならば電子レンジの中のマイクロ波も。みーんな全部電磁波です。

レントゲン写真が白黒なのはこういう理屈

 波長が短いもののひとつがX線。波長が短い=エネルギーが大きい。だから人体を貫通する。骨は完全には貫通しないからその部分は見える。貫通しやすい柔らかい所は別だけど骨ではX線が止まる。だから実際のレントゲン写真を思い浮かべていただければ分かると思いますが、写真に濃淡がつくということですね。

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