1953〜/2013年より第七代中華人民共和国主席、第四代中央軍事委員会主席。太子党。

中国経済のクラッシュは在中国日本人の危機

 習近平政権下で経済回復はほとんど期待できない、ということも日本にとってはリスクである。中国の今の経済政策は外から見てもわかるように、矛盾した政策がまるで交互に行われているような安定していない感じで、それが国際社会の中国に対する信用を著しく落としている。この責任の大半は習近平にある、と私は考えている。

 従来の集団指導体制は一種の分業制で、経済政策の指揮は首相が執る。だが、習近平が望むのは自身の強人政治であるから、首相が経済政策で功績を挙げてもらっては困る。ましてや李克強は共産主義青年団出身で胡錦濤派閥という、習近平とは対立派閥にいる政治家である。男の嫉妬がある。リコノミクス(李克強経済学)と期待された経済政策は、いつの間にか習近平に指揮権を奪われた。

 だが、経済悪化の責任を李克強[一九五五~/中華人民共和国第七代国務院総理(首相)。共青団派。中国共産党序列第二位]だけが負わされようとすると、彼と彼を支持する経済官僚たちは面白くないのでサボタージュを決め込んだり、あるいは習近平の政策の揚げ足をとるようなことをする。内情を知る中国人学者は、経済官僚が党中央派(習近平)と国務院派(李克強)に分かれて南北戦争を行っている、とささやく。

李克強首相。習近平国家主席とは反目しあう仲に。
 
 

 権力闘争のために、経済政策が安定せず、しかも習近平は経済よりも軍事をプライオリティーの上位に持ってくるので、経済の悪化はとどまることを知らない。不動産バブル、債務膨張が一気にはじけて、中国経済はハードランディング不可避の様相を呈している。

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