習近平国家主席(左)と李克強首相(右)。李克強が進めるリコノミクスといわれる経済政策を否定し、シーノミクスといわれる「トップダウンの国家資本主義」を押し進める習近平。反目し合う二人。

国有ゾンビ企業が中国経済迷走の元凶

 目下、実質倒産の死に体でありながら、国有銀行の甘い融資や国家の補助金などで存続しているゾンビ企業である中国国有企業が経済を疲弊させている大きな原因となっている。

 鄧小平の改革路線をそのまま踏襲するならば、国有企業を民営化によって淘汰し、最終的には所有制改革という政治改革に踏み込まざるを得ない。だが習近平の主張はそれと真逆の〝壮大なる国有経済の発展〞を呼びかけているわけだ。

 七月下旬に国内で最初のゾンビ企業研究に関する報告書(中国人民大学国家発展戦略研究院)が発表されたが、それによると二〇一三年の段階で中国工業企業八〇万社中、ゾンビ企業の割合は七・五一%を占める。二〇〇〇年のころはゾンビ企業の割合は三割を超えていたことを思えば、かなり改善されたとはいえ、まだまだこうした企業は多い。

 ちなみに上場企業全体における業種別でいえば、鉄鋼企業の五一・四三%、不動産企業の四四・五三%、建築装飾材企業三一・七六%が高ゾンビ率のトップ3業界だ。

 この報告書では、ゾンビ企業問題解決のポイントとして銀行のゾンビ企業に対する野放図な融資をなんとかするべし、と提言しているが、この銀行の野放図な融資の最大の原因は、銀行の人事権を党委員会が牛耳っている点であり、企業も党委員会が仕切っているという意味で、銀行、企業、地元政府が党組織を通じて身内の関係にある点である。

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