トランプ VS クリントン、第三回の公開討論会も終了。投票日である11月8日も目前のアメリカ大統領選挙。アメリカの世論調査では、クリントンの支持率がトランプをうわまわったといわれています。メディアの報道では、トランプ現象の終焉などの記事もちらほら。日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項です。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 
大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でもアメリカ大統領選とは一体どういう選挙なのか?誰でも理解できるアメリカ大統領選挙をシリーズでご紹介します。

州の中でも対立があるのは南北戦争の状態そのまま!?

 そもそもアメリカ合衆国は違う国どうしとも言える州が集まってできた連邦国家なので、共和党と民主党というのは、州ごとにある派閥だと前回説明しました。

 そのきっかけは南北戦争のときです。

 共和党の原型と民主党の原型がそれぞれの州内にあって、リンカーンは分裂を避けるために副大統領のジョンソンを民主党から採っています。

ゲティスバークの戦い

 だから、南北戦争は一応、北対南とはなっていますが、そんな単純な話ではなく、それぞれの州の中でも対立があるという構造のまま、現在まできています。

 そして、南北戦争は最終的に南東部だけを敵にして半包囲することに成功したという戦いなので、黒人差別ということでは北も南もあまり変わりません。

 結局、J・F・ケネディのような民主党出身の大統領がずっと後に黒人解放をやったわけで、つまり、アメリカというのは全米五十州にそれぞれ共和党と民主党がいて、アメリカ大統領選挙というのは四年に一回、しかも州ごとにやっている南北戦争なわけです。

 それに加えて、南の方からヒスパニックが大量に入って来たり、西海岸ではチャイナやコリアが団体として動いたりするので、どちらの党もそれらの票田を確保するための政策や方針を打ち出さなくてはならないという、利害が複雑に絡んでいる状況です。

大間違いのアメリカ合衆国』より 

明日は、「形式的に間接選挙なのは建国当初のアメリカが貴族国家だったことの名残?」です。