トランプ VS クリントン、第三回の公開討論会も終了。投票日である11月8日も目前のアメリカ大統領選挙。アメリカの世論調査では、クリントンの支持率がトランプをうわまわったといわれています。メディアの報道では、トランプ現象の終焉などの記事もちらほら。日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項です。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 
大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。中でもアメリカ大統領選とは一体どういう選挙なのか?誰でも理解できるアメリカ大統領選挙をシリーズでご紹介します。

選挙の投票日が火曜日な理由

 アメリカの二大政党が近代政党かと言うと、頭の中身は織田信長で止まっているのですから、もちろん違います。

 前近代的な人たちが、選挙戦術だけ超近代的ということです。

 利権集団と宗教的信念が結びついているので、喩(たと)えるなら、室町幕府と石山本願寺がハイテク兵器を使って戦っているようなものでしょうか。

足利将軍家(室町殿)の邸宅,花の御所(京都アスニー収蔵)

 そして、それぞれの中に派閥があるので、共和党も民主党も全然一枚岩ではありません。

 だから、予備選挙でも、ものすごい火花の散る論戦が繰り広げられるわけですが、予備選挙の中でも、大きいのが二月もしくは、三月にある「スーパーチューズデー」です。

 このときに一気に十数州で予備選挙が行われて、党内の候補者がだいぶ絞られてきます。

 四月にはニューヨーク州のような激戦区で行われ、六月まで続きます。

 ちなみに、選挙の投票日はいつも火曜日で、だから、「スーパーチューズデー」と呼ばれます。

 この理由は、アメリカが歴史的に長く農業社会だったので農民の投票場までの移動距離が長かったこと、また、クリスチャンの国でもあるので、日曜の教会の後でないと投票に出かけられないことが考慮されたからです。