世界でも類をみないほど、日本のビジネスシーンは多忙を極めていることはよく知られていることだが、それだけに「このままでいいのだろうか」といったような悩みを抱えている人も多いという。そうしたジレンマに陥った人たちのあいだで、密かなブームとなっているのがプチ修行と呼ばれるものだ。座禅や写経など、ネットでも見かけることが多くなったこのプチ修行には、いったいどのような効果があるのか調べてみた。

 人というのは、忙しくなればなるほど「リラックスしたい」「さまざまなしがらみを忘れ、自分のしたいことに没頭したい」というような欲求が強くなるというもの。ときには哲学者の言葉をかみしめて、どのような考え方をすればいいのか自分と向き合ったりすることもあるだろうが、結果としては言葉の表面をとらえるだけでその本質に迫れず、結局解決できなかったという事態に陥りかねないものだ。

 それであれば、悟りの境地ともいわれるブッダの心に耳を傾け、仏教の修行をしてみるというのもひとつの方法だろう。彼が残した言葉に「健康であるかどうかは、自分の心が決めている」というものがある。心が病んでしまっては、健康とはいえないということにも通じるものだが、そうならないためにも週末の時間を活かして、彼の歩んだ修行をしてみるのもいいのではないだろうか。とはいえ、僧侶でもない一般人にできることには限りがある。そこで、手軽にできるものを紹介しつつ、どのような効果があるのか考えてみたい。

プチ修行でリフレッシュ

■写経
宗派などによって違いはあるが、その多くは般若心経を写すこと。ありがたい経典を学ぶ上での仏道修行が目的だったが、写経をしているあいだというのは誰もがそのことに集中する。そのあいだ、呼吸だけを感じて無心になることからも、坐禅に似た貴重な時間となるもの。

■坐禅
正しい姿勢で座り精神統一をする、禅の基本的な修行法のこと。眼を閉じて思考する瞑想とは似たようで異なったものである。腹式呼吸のようなリズミカルな運動はセロトニンの分泌を促して活性を高めるのだが、まさに座禅がこれに該当する。

■阿字観
真言密教の教典である「大日経」に基づく瞑想法のひとつ。坐禅とは異なり、修行を積んだ僧侶のするものは、「宇宙の万物はもともと存在しているのだから、新たに生じたものではない」ことを覚り、自身の根源である宇宙と、その真理の現れである大日如来との一体感を得ることで創造的に生きる」ための瞑想法となるのだが、一般人や初心者は、座禅と同じく集中力を高めるための修行となる。

 

 精進料理や滝行のようなことも、もちろん体験できるのだが、まずはこの3つを体験することで、自分自身を見直すきっかけとなれば、この忙しい日本社会で自らを見失ってしまっても、道に迷うことはなくなるかもしれない。仮に迷っても戻ってこれる可能性は高まりそうだ。映画鑑賞やドライブなど、人によって余暇の過ごし方はさまざま。その選択肢のなかに週末プチ修行を加えてみれば、明日の活力につながるかもしれない。