習近平国家主席

習近平の長期独裁体制を阻むもの

 「赤い帝国・中国」が今後どのような道をたどるのか。中国が米国と並ぶ世界のルールメーカーとなり、太平洋を二分するような中華圏を確立するのか。あるいは政権が崩壊し、長い動乱時代が始まるのか。それとも、軌道修正されて、国際社会との協調路線に戻るのか。

 可能性としてはいろいろ考えられるのだが、私はここで、いかにもありそうな五つの近未来シナリオを提示してみたい。具体的な事象を想像することで、日本がこうしたチャイナリスクに備えるべき姿勢も見えてくるのではないだろうか。

 私は習近平政権の今後について、かなり厳しい見方をしている。従来の集団指導体制であれば、総書記兼国家主席兼中央軍事委員会主席は2期10年の任期が普通だ。2017年秋の党大会で最初の任期の五年が終わり、順当ならば次の5年も習近平が総書記、国家主席、中央軍事委員会主席を継続することになる。同時に2017年秋の段階で、2022年以降に誰を総書記の座に就けるのかを見越した候補人事の選定というのが進んでいなければならない。

 だが2016年夏の北戴河(ほくたいが)会議で本来話しあわれるはずのポスト習近平人事はまったく噂にならず、それどころか習近平は自分が3期目も総書記を続けるつもりであるという情報がAFPなど一部メディアで流れはじめた。

次のページ 2017年秋の人事で習近平が総書記の座を追われる可能性もゼロではない