「キズナを結ぶ冒険が、今はじまる。」
 これは、10月8日に発売されたニンテンドー3DSソフト『モンスターハンター ストーリーズ』(カプコン)のキャッチコピーである。
  『モンスターハンター(モンハン)』シリーズ初のRPGとして話題を呼んでいる『ストーリーズ』は、構想から7年を費やした大プロジェクト。それだけに、制作に携わった人数も数百人というから驚きだ。
 こうした大所帯のプロジェクトをスムーズに進めるためにも、トップは何に気を遣うべきか? 彼ら制作チームの絆――チームワーク――作りについて、同社・辻本良三氏(『モンスターハンター』シリーズプロデューサー)と藤岡要氏(『モンスターハンター』シリーズ世界観ディレクター)に話を伺った。
 ゲーム業界らしいシステム的な話になるかと思いきや、意外にも…。


 ◆現場の人間が迷ったり苦しまないために 

  『ストーリーズ』制作に携わった人数は、社内だけで100人前後。外部の協力会社を含めると200人を優に超えるという。
 そんな本作において、辻本氏はプロデューサーを務めた。氏の役割をひと言で表すと、「ゲーム全般のチェック」。一方、第1作から『モンハン』シリーズのディレクターを務めてきた藤岡氏は、本作では“世界観ディレクター”という立場で参加。ファンが愛する『モンハン』ワールドのイメージを崩さぬよう、ストーリーや世界観の監修を担当した。

カプコン・辻本良三氏

辻本P 僕は初期段階にこのゲームのコンセプトと方向性を伝え、あとは「何かあったら相談してください」という立場。随時「こういうものを作っているけど大丈夫?」といった報告があり、それに対して意見を述べます。『ストーリーズ』では、ユーザー同士が仲良くコミュニケーションできるという点に気を遣ったので、王道なRPGを作るということとモンスターの育成、収集、対戦は初めのコンセプトからお願いしていました。

カプコン・藤岡要氏

藤岡D ゲームをユーザーへと最終的に届けるのはプロデューサー。だから、僕らにとっては「プロデューサーが自信を持ってお届けできる作品になっているか否か」が大事なポイントになります。そのため、コンセプトの擦り合わせは欠かせません。

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