クリスマスに会ってくれない恋人は、浮気相手にいくら貢いでいるのか?

恋の季節、クリスマスシーズンは同時に不倫の季節でもある。
門倉貴史著『不倫経済学』によると国防予算に匹敵する試算が出ているが、一体、不倫相手にはどれくらいのお金が遣われているのだろうか。

 中高年の浮気や不倫によって1年間にどれぐらいのお金が動いているのだろうか。いくつかの前提条件を置いて試算してみよう。

 

 不倫をしている人の実数については、相模ゴム工業株式会社が2013年1月に行った大規模調査をもとに推計する。不倫の実態については、女性週刊誌などが頻繁にアンケート調査の結果を発表しているが、どれもサンプル数が少なく、実態を正確に反映しているとは言いがたい。その点、相模ゴム工業株式会社の調査は、全国1万4100人を対象としているうえ、性・年代別に均等割付でサンプルを抽出しているため、統計データの精度は高いと評価できるだろう。

 この調査結果によると、現在進行形で浮気や不倫をしている40代の既婚男性は全体の26%、50代は28.9%、60代は23.8%となっている。2010年の総務省『国勢調査報告』をもとに、この浮気・不倫率を、不倫している既婚男性の実数に換算してみると、40代が147万4659人、50代が175万4419人、60代が169万9971人となる。各世代をすべて合算すると、不倫をしている中高年男性は日本全体で492万9048人に上る。

 次に、不倫デートでどれぐらいのお金が動くかを確認しておこう。不倫デート費用については、私が2015年に行ったヒアリング調査の結果があるので、この結果をモデルケースとして使うことにしよう。

40代の男性が月2回のペースで不倫デートをする場合、1カ月にかかる費用はホテル代が2万円、映画館やテーマパークに出かけるなどのデート代が1万円、レストランや居酒屋、バーなどの飲食代が2万円、誕生日などのイベントに合わせたプレゼント代が1カ月あたり6千円、携帯電話などの通信費が4千円で、トータルでは6万円ぐらいの出費だ。これを1年間に直すと、6万円×12カ月=72万円という数字が出てくる。

 先に推計した不倫をしている中年男性の数(492万9048人)に、1人あたりの年間の不倫デート費用(72万円)を掛け合わせると、不倫の市場規模はなんと年間約3兆5489億円という金額になった。

 さらに、総務省『産業連関表』(2011年、190部門表)を使って、商業・サービス部門を中心に3兆5489億円の最終需要が新規に発生した場合に、「二次的な経済波及効果」がどれぐらい発生するかを計算すると、約1兆9545億円となった。

 最初に発生した最終需要(=約3兆5489億円)と二次的な経済波及効果(=約1兆9545億円)を足し合わせると、中高年男性の不倫によって動くお金の総額は年間約5兆5034億円にも達する。この金額は、日本の2016年度の防衛費予算(5兆500億円)に匹敵するほどの大きさだ。

 日本のGDP (国内総生産)を500兆円規模とすれば、その1%強を不倫ビジネスが占めている計算になる。

 今回の推計結果には、W不倫を除いた既婚女性の(独身男性との)不倫が反映されておらず、また不倫で夫婦関係が破たんしたときの慰謝料なども含んでいないため、これらを含めてとらえれば、さらに不倫で動くお金の総額は膨らむことになるだろう。

 浮気や不倫は道徳的・倫理的に決してすすめられるものではない。経済的な視点からみても極めてリスクの高い行為であるが、不倫によって巨額のお金が動いているという事実に変わりはない。

専業主婦の不倫の値段や、愛をお金に換算するといくらか、という試算についても、門倉貴史は『不倫経済学』(ベスト新書)で詳しく語っている。

<門倉貴史著『不倫経済学』(ベスト新書)より紹介>