わが国の総理大臣、安倍晋三。日本の子供たちは総理大臣は平気で嘘をつく人だといまや思っているかもしれない…。

 安倍晋三首相は14日、参院TPP(環太平洋経済連携協定)特別委員会に出席し、TPP発効の可能性について「大変厳しい状況になってきたと認識している」と述べた。

 米国のトランプ次期大統領は選挙中にTPPから離脱する意向を政権公約にしており、オバマ政権は任期中の承認を事実上断念。

 首相は「(日本が承認の)意思を示すことができなければ、TPPは完全に終わってしまうと思っている」と語り、危機感を募らせた。

 また「(TPPが)終わったのかといえば、決して終わっていない。アジア太平洋地域の発展に大きな意義があり、何とか推進したいという強い決意は、私も他の国々のリーダーも変わらないと思う」と、必死に国会答弁する有り様。

 しかし、グローバリズム経済の弊害が言われて久しい今、世界では国民経済の理念に立ち戻りはじめようとしている流れのなかで、なぜ安倍政権は遮二無二TPPの早期発効を目指すのか?

と、その前に……。

そもそも安倍晋三は、「TPPは断固反対!」と言っていた張本人ではなかったか。

そんな安倍晋三の「言葉の信頼性をなくす」振る舞いこそが、国を滅ぼし、国民の精神を貧しくする元凶だと

作家・哲学者の適菜収氏は新著『安倍でもわかる政治思想入門』で糾弾する。

今回、安倍首相のかつての発言を紐解き、嘘を平気でつく安倍晋三の正体を赤裸々にする。

たしかに自民党の選挙ポスターに書かれていました。「TPP断固反対。ブレない」と。自民党の党首は安倍晋三。小学生でも知っています。

 

TPPについて 二〇一六年四月七日 安倍晋三国会答弁

 

私自身は、TPP断固反対と言ったことは

一回も、ただの一回もございませんから。

まるで私が言ったかのごとき発言は

慎んでいただきたい。

 

 TPPは条約であり、国内法より上位になるので、批准されると、多くの法律が書き換えられることになる。

 二〇一二年の衆院選の自民党マニフェストには「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します」と明記されている。また、ポスターには「TPPへの交渉参加に反対!」「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」とある。

 著書『新しい国へ』で安倍は言う。

「御承知の通り、自民党は『「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、TPP交渉参加に反対』という立場をとっております。なぜなら、あらかじめ『関税ゼロ』であることを呑んでしまっては、守るべきものは守れません」

 しかし、安倍は交渉参加を決定。

 「聖域」は守られなかった。

 しまいには国会で「私自身は、TPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから。まるで私が言ったかの如くのですね、発言は慎んでいただきたい」などと言い出す始末(二〇一六年四月七日)。

 嘘つきを信じてはいけない。

(※適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』本文抜粋)

 

著者略歴

適菜 収(てきな・おさむ)

1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が1116日に全国書店、Amazonで発売。