投票日前日まで、クリントン優勢の報道にもかかわらず、トランプの勝利が確定。トランプが大統領候補として台頭していた時点から、暴言のトランプ、失言のトランプ…etc. 日本をはじめアメリカでもマスメディアから連日の様にトランプに対してネガティブの報道がなされていました。 しかしながら、結果はトランプ勝利でした。
なぜアメリカ人はトランプを支持したのか?果たしてマスメディアはアメリカ合衆国の実像を捉えていたのか?
日本にとって、アメリカ大統領が誰になるのかは国益を大きく左右する重要事項です。しかし、そもそも日本人はアメリカ合衆国の実像を知っているのでしょうか? 大きな勘違いアメリカ陰謀論などを正しながら、日米史を振り返る、絶賛発売中の『大間違いのアメリカ合衆国』。
中でも半年近く前に執筆した、トランプ現象とは一体どういう現象なのか、気鋭の憲政史家・倉山満の分析を一部抜粋紹介いたします。

アメリカの本当の国益を考える!!

 アメリカが引きこもりなのは世界にとってもアメリカ人にとっても一番いいのでしょうが、すでにアメリカは超大国ですから仕方がありません。

 地政学の観点から、アメリカの国益とは何かを考えてみましょう。

 一つずつ冷静に見ていくと、まず、アメリカにとって本来、一番大事なのは、メキシコ湾の石油を守ることです。

 報道のイメージで、中東が生命線と勘違いしている人もいますが、山縣有朋(やまがたありとも)の言葉で言うと、あれは利益線にあたります。

 あるとおいしいけれど、なければ死ぬものではないのです。
   主権線が国境であって、生命線はメキシコ湾です。

 メキシコ湾の石油さえ守っておけば、アメリカは自活できるのですから。

 その上、冗談抜きで、カナダとメキシコの両方が組んでアメリカに戦争を挑めるようになるのに何年かかりますか、というぐらい、アメリカは本来安泰で滅びようがない国です。  

 ロシアの脅威はあるにしても、ロシアは基本、ヨーロッパ志向なので、アラスカに攻め込むとはちょっと考えにくいです。